出版社内容情報
他人の寂しさを嗅ぎわけ、やがて心を支配する女が死体となって発見された。
東京で暮らす月光(つきみ)のもとへ、故郷の京都で暮らす双子の妹・冬花が殺人罪で逮捕されたという連絡が入った。
被害者は冬花の高校時代の同級生・川井喜代。
二十年前、冬花を弄んだ喜代が許せず二人を引き離したはずだったのに。
帰省した月光は、冬花に思いを寄せる男・杉田とともに真相解明に乗り出す。
内容説明
結婚して東京で暮らす月光のもとに急な連絡が入った。故郷の京都で暮らす双子の妹・冬花が殺人の容疑で逮捕されたという。被害者は冬花の高校時代の同級生・川井喜代。二十年前、冬花を自分の思うままに支配し、不幸にした喜代が許せず、二人を引き離したはずだったのになぜ…。京都に戻った月光は、冬花に思いを寄せる男・杉田とともに真相を解明しようとするが、新たな殺人が起きる。「彼女」の真実とは?待つのは、想像を超えるどんでん返し。
著者等紹介
岸田るり子[キシダルリコ]
1961年、京都府生まれ。パリ第七大学理学部卒業。2004年に『密室の鎮魂歌』で第14回鮎川哲也賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
57
なんだかもう、ただただ圧倒された。喜代が殺された前の話と、後の話が交互に語られるのだけれど、どちらにも謎があって誰を信じたらいいのかわからない複雑に絡んだ人間関係の先にどんでん返しがあった。冒頭では喜代の悪女っぷりに閉口してたけど、そんな感想を吹き飛ばす結末でした。他の作品も是非読んでみたい!2021/01/15
えみ
46
ギョッとするその悪意、半端じゃない!半端じゃないから半端なく面白い!悪意の訳を知りたくて、悪意の先を知りたくて、ついつい本気の読書モードでスカッと読了。一気読み必至のどんでん返しミステリー。この小説を読んで「カッコウの托卵」や「寄生虫の生態」を思い浮かべてしまい、その恐ろしさに身を震わせた人、私以外にもきっと居たはず。双子の妹が殺人容疑で逮捕された!?その事件の裏に隠された猛毒に恐怖する。マインドコントロールか、狡猾なペテンか。嫌な気持ちにさせられたはずなのにまた読みたくなる強い中毒性を持つ一冊だった。2020/12/22
misa*
43
初作家さん。イヤミス系ではあるんだけど、まぁ最後にやられたよね、これ。なんていったって本当最低最悪の女、喜代の行いが酷すぎて胸糞悪い上に、冬花ののんびりとした感じが鼻について仕方なかったけど、読んでいくうちに少しずつ変化が生まれてきてからは、一気読み。面白かった!2023/09/22
うぇい
12
とても面白かったです。 登場人物があまり多くないので犯人が誰か検討がつくけど、内容的には斬新な結末で予想を超えてきたように思う。 岸田るり子さんって広く読まれている感じでないけど、面白いの多いし、頭脳明晰な感じがします。2022/09/19
いなばさくら
10
長編ミステリ、ややイヤミス感あり。初読み作家さんやったけど、だいぶ前の鮎川哲也賞受賞のベテランさんで著作もたくさんあるみたい。相変わらずモノを知らんわたしである。時系列順でない物語を3日に分けて読んだので、たいへん理解しにくかったのは自分のせいです。ただ登場人物のキャラがちょこちょこご都合的になってる気がします。京都出身の作家さんなので、京都の無名な地名が出てくるのと自然な京言葉が懐かしかった。2021/10/15




