出版社内容情報
彼女は本当に無実なのか!? 逆転無罪を狙い、息詰まる法廷場面。現行の裁判制度の矛盾を突く、緊迫の法廷ミステリ!
内容説明
幼い頃、母が父を刺殺する現場を目撃した曽我。作家になった後も暗い過去は心の隅に淀んでいた。そんな彼のもとに一通の手紙が届く。差出人は母親同様、夫を殺害したとして懲役十年の有罪判決を受けた関山夏美。無実の罪を着せられた自分を助けてほしいという。大学時代の友人で、夏美の主任弁護人を務める服部朋子にも依頼され、曽我は夏美の控訴審に関わる…。目撃証言の問題点を鋭く抉る傑作法廷ミステリー。
著者等紹介
深谷忠記[フカヤタダキ]
1943年東京都生まれ。東京大学理学部卒。82年『ハーメルンの笛を聴け』で第28回江戸川乱歩賞候補となる。85年『殺人ウイルスを追え』で第3回サントリーミステリー大賞佳作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
77
幼い頃に母が父を刺殺する現場を目撃した作家の曽我に、夫を殺害して有罪判決を受けた関山夏実美から無実の罪を着せられた自分を助けて欲しいと言う手紙が届いた。大学時代の友人で夏美の主任弁護人の服部朋子と共に控訴審に臨む。人間の記憶の不確かさを問う作品。夏美に感情移入出来ず今一つ楽しめなかったのが残念。曽我の両親の事件の真実は予想通り。2021/04/09
てつ
33
目撃者の記憶をテーマに二つの事件を交錯させる法廷もの。法廷ものは出来不出来の差が激しく最近読んでいなかったが、本作はそこがテーマではない。学生時代記憶の研究をかじった身としてはおもしろく読んだが、法廷シーンは現実味がなく、丁寧に描こうとする余り重厚すぎる長編になってしまった。ただ事件の交錯ぶりは作り物とはいえおもしろいので、興味があればどうぞ、というところでしょうか。2022/10/26
くろねこ
3
オチはなんとなく分かったが、それにしても辛いな…。毒殺の方は…うん…。2021/01/27
こけこ
2
長い話だったが、引き込まれて無事読了。「心理」「法廷」の二つのサスペンスと、二つの事件が進んでいく。えん罪について、考えさせられる内容だった。2024/11/15
FUKUIKE
2
★★★☆☆ 深谷忠記さんの作品、これで3冊目。テンポよく展開するかと思いきや、3冊ともなんかまわりくどく、後半は斜め読みしながら読み終わる。どの作品も内容的には面白いのにちょっと残念。2022/08/26