出版社内容情報
ハマグリ、茄子、ミョウガ、トマト、そうめん、材料を買い込み冷蔵庫に詰める。そうか、今日は七夕だ――(「安全じゃない場所」)。誕生日に大好きなバンドのライブ、そのチケットは彼がプレゼントしてくれて。あのときは、こんな誕生日がくるなんて思いもしなかった――(「ハグルマ」)。クリスマス、卒業式、お正月……ひとりぼっちの記念日も悪くない、かも。短編の名手が贈る、切なくてままならない心情を鮮やかに掬いとる作品集。
内容説明
好きで仕方のなかった人からの連絡。結婚記念日を前に穏やかな毎日を過ごしていたのに、昔の記憶が蘇るようで…(「返信を待たない」)。誕生日に大好きなバンドのライブ、そのチケットは彼がプレゼントしてくれて。あのときは、こんな誕生日がくるなんて思いもしなかった―(「ハグルマ」)。ままならぬ切ない心情を鮮やかに掬いとる、記念日をテーマにした全九篇。
著者等紹介
加藤千恵[カトウチエ]
1983年北海道生まれ。立教大学文学部卒業。2001年、歌集『ハッピーアイスクリーム』で高校生の時にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ピロ麻呂
38
せつない記念日の短篇集☆カトチエ特有の短歌&小説ミックスかな〜と思いきや今回は小説のみ。サクッと読めるから一口チョコ感覚。甘さ控えめ、少しビターなラブストーリー集でした。2020/09/07
Nissy
29
恋人に見捨てられたり、上手く事が運ばなかったり、悲しい内容の短編が続きます。しかし、絶望から垣間見える主人公たちのささやかな未来に思いをはせて、ひとつひとつの短編の余韻を味わうことができました。お恥ずかしながら、加藤千恵さんが有名な歌人とは知りませんでした。2020/10/07
のんちゃん
27
記念日を題材にした、女性達の別れからの前進を描いた短編集。別れと言ってもそれは単に恋人や配偶者だけではなく、これまでの自分の生活や元恋人に残した想い、女友達や踏み止まっていた世界等、様々な場面が展開される。著者は歌人でもある。それゆえ、短い作品の中で、その言葉は厳選されたものであり、対費用効果が良く、読み手にダイレクトに感情が伝わる。切ない感情を嫌というほど読まされるが、読後感は、やはり、たくみな言葉のチョイスで光が差す思いに満ちる。2020/12/13
coco夏ko10角
18
記念日がテーマ、9つの作品収録の短編集。切ない。『夏の飛びこみ』と『返信を待たない』が特によかった。2021/07/30
ベローチェのひととき
13
9編からなる短編集。全編、女性が主人公。いろいろな記念日がテーマとなっており、色々なものに別れを告げ、新たに生き始める内容。ちょっと切ない物語が多かった。2020/12/20
-
- 洋書
- Fallen Stars
-
- 和書
- 第一線監督者の行動指針




