出版社内容情報
婚約者の死を予知したファンレターに、人気漫画家・陣内は……。『彼女は存在しない』などの人気作家が贈る迷宮的ミステリー。
内容説明
ある日突然、婚約者の里美を事故で失った漫画家の陣内は、衝撃のあまり、連載中の漫画のヒロインを作中で殺してしまう。ファンレターは罵倒の嵐。だがそのなかに、事故の前の消印で里美の私を予知する手紙があった。送り主は何者か。本当に死を予知する能力があるのか。失われた恋人への狂おしい想いの果てに、陣内が辿り着く予測不能の真実!最後の1ページであなたは何を想いますか?
著者等紹介
浦賀和宏[ウラガカズヒロ]
1978年神奈川県生まれ。98年に「記憶の果て」で第5回メフィスト賞を受賞しデビュー。おもな著作は、20万部を超えるベストセラーとなった『彼女は存在しない』等。2020年3月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shun
30
今年3月に作者が逝去されていたと知り初めて読みました。本作以外にも設定や内容が奇抜なものが多く、それが作者の持ち味のようですね。そして本作、人気漫画家の婚約者が事故で亡くなり、そのショックで連載中の人気ヒロインを何の伏線もなく唐突に殺してしまうという超展開を誌面に載せてしまいファンは激怒、連日罵倒のファンレターが送られてくる事態に。そんな中の一通で婚約者の死を予知した自称予知能力者の登場、その一方で怒れるファンの一人は現実に漫画家の殺害計画を立て始め物語は予想外の展開を見せる。興味をそそる設定が面白い。2020/09/27
yumiDON
19
最愛の婚約者を失い、自分の漫画でヒロインを殺してしまう人気漫画家の陣内。そんな中、婚約者の死を予知する内容のファンレターを発見する。それは彼女が亡くなる前に届いていて…。 ミステリーを読まれている方なら、何となく物語が向かっている方向を察するでしょう。でも、ありきたりになっていないのは、浦賀さんの手腕だと思います。登場人物達は魅力がなく共感しにくいので、嫌な展開に向かっていっても不思議と憂鬱な気分になりません。安心設計(笑)真相を暴いてやる、と力を入れずフラットに読むと楽しめると思います。2024/12/14
すしな
13
025-22.幸せな漫画家カップルに突然訪れた彼女の死を発端に、自暴自棄になった漫画家の前に、死を予知できる漫画家のファンの女性が現れます。話の根本には「未来はあらかじめ決まっているのかいないのか?」問題があって、予言が本物か偽物かということも相まって、色々想像が膨らんでいきます。主人公の漫画家が描く漫画もキーになっていて、話全体のメタ構造にもなっていまして個人的には、エヴァンゲリオンのシンジ君とアヤナミに近い感じがしました。再読で何か”こわれ”ているのかを伏線から辿るのも面白いかもです。2022/03/13
Alice
12
神崎の気持ちはわかる…ビックリするほどのドンデンでもなかったかな。犯人はこっちか?違った。じゃあこっちか?と予想できたな。2022/01/03
yuka
12
予想通りの部分もあったが、楽しかった。三橋がとにかく気持ち悪かった。2021/10/31