内容説明
妻と幼い息子を残し、埼玉から神奈川の藤沢に単身赴任してきた大手スーパーマーケット副店長・藤沢太郎。ある晩、箒に乗った自称「魔法少女アリス」が、部屋に飛び込んできた。叩き出すわけにもいかず、彼女を見守る役目だという、喋る小動物「まるるん」とともに、渋々同居する羽目になる。おまけにアリスの魔法修行に付き合うことに…。栄転間近だったはずの厄年パパの運命は?
著者等紹介
越谷オサム[コシガヤオサム]
1971年東京都生まれ。学習院大学経済学部中退。2004年「ボーナス・トラック」にて、第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。2011年『陽だまりの彼女』で啓文堂主催「おすすめ文庫大賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nemuro
52
越谷オサムは青森が舞台の<いとみち>シリーズの3冊以来、案外久々。今回は“しりとり読書”の45冊目。『図書館の神様』に続き「ま」で始まるタイトルの本(本棚に並んでいた7冊)からの選定。タイトルを思えば当然なことでもあるのだが、予想以上にファンタジーな展開に特に前半は乗り切れないところも多々あった。それでも、副店長・藤沢太郎の戸惑いを尻目にどんどん周囲に溶け込んでいく魔法少女アリスの姿・成長とともに違和感もなくなり、ハラハラドキドキ、面白かった。現在2月23日午前9時30分。外は積もりそうに雪が降っている。2021/02/22
ジンベエ親分
50
魔法界の魔法使い見習いは14歳になったら人間界で修行する、というのは日本人にはもはや一般常識となっているので、自分でも案外素直に受け入れてしまいそうな気がする(笑) 越谷版「魔女の宅急便」のホームステイ先はスーパーの副店長を勤める中年親父。設定はファンタジックだが、中間管理職の保身や悲哀、職場内の人間関係の機微、生活苦や児童虐待など、重いテーマもサラリと軽く、だが真摯に交えてガッチリ読ませてくれるのはこの著者ならでは。サービス精神たっぷりに盛り上げた後、忘れていた伏線を綺麗に回収して終わるラストが抜群。2020/05/16
たるき( ´ ▽ ` )ノ
40
うーん・・・アリスの存在の背景が明らかになるにつれ、胸をぎゅっと掴まれるような気持ちになった。ファンタジーなんだけどかなり現実的な部分もあり、なかなか自分の気持ちが追いつかなかった。2020/12/06
ココ(coco)
32
☆ ☆ ☆単身赴任の副店長のアパートに、突然14歳の魔女見習いと、喋る小動物がやってきた所から始まる物語でしたが、魔女見習いのアリスがとにかく可愛くて癒されました。苦手なファンタジーものでしたが、面白かったです。2020/05/19
紫陽花と雨
21
単身赴任中、ガラス窓をぶち破ってやってきたの箒に乗った魔法少女見習いアリス(とそのお供のまるるん)でした。「次の満月までホームステイさせて」舞台は神奈川県藤沢市、主人公はスーパーの厄年副店長。突然訪れた非日常の日々に最初は戸惑いながらも、明るく朗らかなアリスに関わった人たちが少しずつ良い方向へ変わってゆく。しかしこの「魔法少女」たちの存在には悲しい真実があった。これはただのファンタジーではない。ラストシーン、まさかのあの人の登場にジーンとした。きっとあなたの近くにも魔法少女がいるかもしれない。2021/11/04