内容説明
妻と幼い息子を残し、埼玉から神奈川の藤沢に単身赴任してきた大手スーパーマーケット副店長・藤沢太郎。ある晩、箒に乗った自称「魔法少女アリス」が、部屋に飛び込んできた。叩き出すわけにもいかず、彼女を見守る役目だという、喋る小動物「まるるん」とともに、渋々同居する羽目になる。おまけにアリスの魔法修行に付き合うことに…。栄転間近だったはずの厄年パパの運命は?
著者等紹介
越谷オサム[コシガヤオサム]
1971年東京都生まれ。学習院大学経済学部中退。2004年「ボーナス・トラック」にて、第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。2011年『陽だまりの彼女』で啓文堂主催「おすすめ文庫大賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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dr2006
56
面白くて一気読み。魔法使いの少女というファンタジー+真面目に働くGMS副店長藤沢太郎のお仕事系ドキュメンタリー。別々の作品になりそうな2つの設定が絶妙に融合している。単身赴任で離れて暮らす家族を思いながら重責を担う多忙の日々、そんな太郎が住むアパートのガラスが割れ、空から少女と人語を話す小動物が降ってきた🧹修行の為太郎の部屋に暫く居候したいという。家族ではない未成年女子の軟禁を疑われるような状況の一方で、周りの人をみな笑顔にしていくアリスの存在に惹かれていく太郎だったが、アリスの生い立ちを知った時…。2025/02/01
nemuro
54
越谷オサムは青森が舞台の<いとみち>シリーズの3冊以来、案外久々。今回は“しりとり読書”の45冊目。『図書館の神様』に続き「ま」で始まるタイトルの本(本棚に並んでいた7冊)からの選定。タイトルを思えば当然なことでもあるのだが、予想以上にファンタジーな展開に特に前半は乗り切れないところも多々あった。それでも、副店長・藤沢太郎の戸惑いを尻目にどんどん周囲に溶け込んでいく魔法少女アリスの姿・成長とともに違和感もなくなり、ハラハラドキドキ、面白かった。現在2月23日午前9時30分。外は積もりそうに雪が降っている。2021/02/22
ジンベエ親分
51
魔法界の魔法使い見習いは14歳になったら人間界で修行する、というのは日本人にはもはや一般常識となっているので、自分でも案外素直に受け入れてしまいそうな気がする(笑) 越谷版「魔女の宅急便」のホームステイ先はスーパーの副店長を勤める中年親父。設定はファンタジックだが、中間管理職の保身や悲哀、職場内の人間関係の機微、生活苦や児童虐待など、重いテーマもサラリと軽く、だが真摯に交えてガッチリ読ませてくれるのはこの著者ならでは。サービス精神たっぷりに盛り上げた後、忘れていた伏線を綺麗に回収して終わるラストが抜群。2020/05/16
たるき( ´ ▽ ` )ノ
42
うーん・・・アリスの存在の背景が明らかになるにつれ、胸をぎゅっと掴まれるような気持ちになった。ファンタジーなんだけどかなり現実的な部分もあり、なかなか自分の気持ちが追いつかなかった。2020/12/06
ココ(coco)
33
☆ ☆ ☆単身赴任の副店長のアパートに、突然14歳の魔女見習いと、喋る小動物がやってきた所から始まる物語でしたが、魔女見習いのアリスがとにかく可愛くて癒されました。苦手なファンタジーものでしたが、面白かったです。2020/05/19