出版社内容情報
お国のためにという琴の純な思いを翻弄する幕末の動乱。いつしか朝敵となってしまった新徴組面々の数奇な戦いの果ては…。
内容説明
伝通院以来、秘かに想いを寄せていた土方歳三との別れ。新徴組組士千葉雄太郎との恋。そして悲憤の別離。世のため江戸庶民のためと職務に精励する新徴組だったが、彼らのその高い志が皮肉にも歴史を動かす引き金となってしまった。戊辰戦争…。討幕の流れは止めようもなく、いつしか庄内藩酒井家は朝敵となってしまう。やりきれぬ理不尽さに戸惑いつつ中沢琴は泥沼の戦いに臨むのだった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
H
3
心から読んで良かった。新徴組のことも中沢琴のことも全く知らなかったし。次回作が楽しみ。2019/10/31
しびぞう
3
素晴らしく読みやすい文体だった!賊軍視点の幕末もの、しかも庄内藩寄りのものはなかなか無いので、藩士末裔としてはありがたく読み進めた。新徴組については明治期の松ヶ岡開墾場における集団脱走の影響が大きく、それ故に幕末の江戸での活躍や戊辰戦争での強さについて声を大きくすることが出来なかった感があるのだが、この作品を機にその存在が見直されれば、と思う。2019/09/12
せいこ
2
幕末に女性剣士として活躍した中沢琴さんの伝記本。恥ずかしながら新徴組すら知らなかった。。当時では珍しい自分で選択して人生を歩んだ人。生き様格好良かった。2021/10/11
好奇心
0
中澤琴と新徴組の活躍読ませて頂きました、頭の中で琴さんを想像しながら、新政府・旧幕府入り乱れ大変な時代だったことが想像できます、市民にとっては不安で迷惑だった? 戊辰戦争が様子が詳細に描かれており、小説と言うよりも歴史書とも感じました、身分階級の厳しい時代に女性が戦の第一線で活動した事実は稀有のことで、言葉ではうまく表現できない、嫁にも行かず・長命で美貌で・自分よりも強い人にしか嫁がないとの信念・・お疲れ様でした 明治・大正・昭和はどう映ったでしょうか?2022/09/22
nonbiri nonta
0
幕末、浪士組から派生し京に残ったのが新撰組。そして江戸に戻り庄内藩支配の元江戸の治安に当たったもう一つの新撰組、新徴組。そこに一人の女剣士がいた。 倒幕に向け江戸の街でテロリズムに走る薩摩藩の江戸屋敷に庄内藩が焼き討ちをかけ、それが薩摩を中心とする新政府の倒幕に拍車をかけたという話は既知だが、庄内藩支配下で活躍するもう一つの新撰組があったのは知らなかった。 新撰組と会津のペアはドラマでもよく語られるが、もう一つの親幕派新徴組と庄内のドラマも見てみたいと思った。2020/01/29
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