出版社内容情報
神戸発祥は珈琲や洋食、菓子だけじゃなく、ジャズもなんです。そのジャズが老若男女を繋げ、街の再開発が絡む奇想天外な物語。
内容説明
プロのジャズミュージシャンを目指す栞は、生活のために保険の外交員をしている。ある日、潜水艦の設計士を勤め上げたという男の家に営業に行くと、応対してくれた妻と、ジャズの話題で盛り上がり、自分が出るライブに誘った。そのライブで彼女は安史と再会する。元ヤクザらしいが、凄いトランペットを吹く男だ。ジャズで知り合った男女が、元町の再開発を巡る様々な思惑に巻き込まれ…。
著者等紹介
松宮宏[マツミヤヒロシ]
大阪生まれ。大阪市立大学文学部卒業後、アパレルやデザインの仕事に携わる。2006年、『こいわらい』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
柊文庫本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つねじろう
88
面白かった。理屈抜きに楽しめた。日本のジャズ発祥の地神戸。それも闇市を生立ちにもつディープな元町高架下商店街を舞台に潜水艦造りのマイスターやら若き保険外交員やら半グレ風の若者やら中学生やらホンマもんのヤクザやらホンマもんのジャズプレイヤーやらA Iロボットまで放り込む。其々の違うテーマやリズムが次第に融けあい大きなうねりになる様は正にジャムセッション。朝ドラ的なご都合主義の展開はあったりするけどそれも含めてジャズ。マイルスに始まりスタンダードジャズからクリフォードブラウンまで最高にスイングするお話でした。2019/05/09
Walhalla
30
松宮宏さんの作品は神戸が舞台のものが多いですが、今回も、「日本のジャズ発祥の地」とされる部分にフォーカスされたこの土地で、ジャズを愛する人々の気持ちが描かれていました。神戸市長のブログでも紹介されていますね。実在するミュージシャンやお店も登場し、物語を盛り上げます。古くから良港として栄え、外国人を通じて異文化を受け入れる神戸人の気質などによって、この街にジャズが根付いたそうです。私にとって馴染みのある土地で、とても興味深く楽しめました。2023/06/01
しげき
27
兵庫県民なので馴染みのある地域が出てきてスラスラと読了。書太郎のキャラが前半と後半では全く違ってました。本当は良い人なんだ。 ジャズはあまり聞いた事がないですが、洒落た大人の趣味って感じで興味を引きました。2024/01/01
ひろりん
17
私に馴染みの神戸が舞台の物語。プロミュージシャンを目指す女性、元潜水艦エンジニア、元やくざのフリーターなど、普通なら交わることがないであろう人々が、老舗ジャズクラブの閉店危機を契機に集まり、絆を深めてゆきます。行間からジャズのメロディーが聞こえてきそうな、心温まる話でした。 また私に馴染みのあの場所、あの店や、多分あの店をモデルにしてるだろうなという店などたくさん出てきて、地元民にとっても実感がありました。やはり、神戸にはジャズが似合いますね。2019/06/20
ひろさん
16
ひょうご本大賞候補作として読んだ。3冊読んだ中では1番長編で、ドラマにしたら面白くなりそうな物語。ジャズが物語のベースとなっていて、私は詳しくないので、あとは想像力で読みました。街のならず者「忖度ブラザーズの物語」と「元潜水艦設計技師夫妻」と「ジャズ発祥の地のクラブ」の物語が絡み合い大河ドラマ的な面白さでした。実名でたくさんのジャズメンが出てくるのでつい実話かと勘違いしそうになりながらも、神戸の馴染んだ景色を思い浮かべながら読みました。私の兵庫本大賞はこの1冊に決まりました。2023/05/17
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