出版社内容情報
絵に隠されたひとりの女優の死の真相とは。『天使の眠り』の著者が究極の愛と絆を問う号泣ミステリー!
内容説明
絵を描くことが好きな少女さくらは、ある日、月光に照らされて池に浮かぶ美しい女性の姿を描く。その胸にはナイフが突き刺さっていた。大人になった彼女は、祖母に聞かされた話に愕然とする。絵を描いた二十年前、女優だった叔母のゆう子が、京都の広沢の池で刺殺されたというのだ。あの絵は空想ではなく、実際に起きた事件だったのか?さくらは、叔母の死の謎を探ろうとするが…。
著者等紹介
岸田るり子[キシダルリコ]
1961年、京都府生まれ。パリ第七大学理学部卒業。2004年に『密室の鎮魂歌』で第14回鮎川哲也賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とろこ
58
面白くて一気読み。21歳のさくらは、子どもの頃、未来を予知するかのような絵を描くことがよくあり、周囲から気味悪がられていた。その中でも、月明かりの下、池に浮かぶ美しい女性の絵は、20年前に何者かに殺害された叔母が発見された時と見事なまでに一致していた…。亡き伯母の魂に導かれるかのように、晩年の叔母が過ごしたペンションに住むことになったさくら。そこで、過去を知る人々や、新たに出逢った人たちと、叔母の死の真相を追ってゆくと…。謎だけでなく、人間の持つ愛情に心揺すぶられる一冊。良かった。2019/05/06
坂城 弥生
42
存続を知らされていなかった叔母。芸能界にいたのに突然姿を消し、殺害されていた。一体彼女になにが起こったのか。2022/02/21
こばゆみ
9
岸田さんの短編小説が面白かったので長編も読んでみる。…うーむ、ちょっとありきたりな話だったなーという印象(^_^;)。若い女性が自分の出生の謎を探っていくのだけれど、「そんな上手いこと行く〜?」って思う箇所がいくつか。でも作中に漂うダークな雰囲気はやっぱり好きだなーと思ったので、他のも読んでみよう!2022/02/08
ちえちゃん
7
二十年前の殺人事件が起きた当時と現在でその真相を探る様子が交互にに物語が進む。「犯人はこの中にいる!」と分かってるのに誰だか分からない。そして赤ん坊の行方もミスリードされた。あ〜、犯人はこの人か〜。スッキリ☺️2022/02/07
ありん
3
過去と今の出来事を交互に書いている。登場人物はそのまま歳を重ねた人、入れ替わった人、亡くなった人など。一度見たものは頭の中で映像として記憶され、時を経て、絵にできる女性の出生にまつわる事件の話。2019/06/30