出版社内容情報
植物の不思議な生態は、あの子やこの子にそっくり。人間の不可思議な行動を植物の生態に模して描く、朝倉かすみ版・植物誌!
内容説明
奇妙で可愛く、時におぞましい植物たちは、どこか人間と似ている―。他の植物にくっついて生きるコウモリランは、若い男性を家に住まわせる年配の女性と。条件に恵まれると繁殖するホテイアオイは、とある家に住みつき妊娠する少女たちと。日陰が必要なシッポゴケは、自身の女性性を憎む少女と。人間の不可思議な行動を植物の生態に仮託して描く、アサクラ版・植物誌全七作。
著者等紹介
朝倉かすみ[アサクラカスミ]
1960年生まれ。北海道小樽市出身。2003年「コマドリさんのこと」で第37回北海道新聞文学賞受賞。2004年「肝、焼ける」で第72回小説現代新人賞受賞。2009年『田村はまだか』で第30回吉川英治文学新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
137
『山本くんとの生活は、おとぎ話のようにおだやかだった』そんな思いの中に生きる主人公の姿を『植物』の特徴に上手く重ね合わせていくこの作品。7つの短編からなるこの作品には”お題”を元に見事に物語を紡ぎあげていく朝倉さんの上手さを見る物語が描かれていました。よく知る『植物』、よく知らない『植物』の特徴に『植物』のことを改めて思うこの作品。雰囲気感が全く異なる物語の収録に、飽きることなく読み通せるこの作品。次々登場する『植物』に浮かぶ、それぞれの登場人物たちの生き方に、自分の生き方の理想系を思いもする作品でした。2025/01/23
Rosemary*
30
単行本で読了。 牧野富太郎さんの美しいボタニカルアートの装画に惹かれて手にとりました。 植物から連想されたちょっと奇妙な短編集、想像していた物とはちょっと違っていました… マニアックなのか、好みが分かれそうです。2020/08/04
エドワード
27
植物の性質を人間に置き換える発想だ。【コウモリラン】65歳になり老人クラブで友人を作ろうと思ったさち子。トイレの鍵が壊れてSOSの時、助けてくれた若者・山本君を下宿させる楽しい日々。【趣味は園芸】人が普通にできることが出来ない私は、就職も出来ずバイト暮らしで30歳。持ち前の<負けじだましい>で奮起して、何もない土地にお花畑を作る。わらしべ長者のような作品が微笑ましくて好きだ。花言葉をテーマにした「乙女の花束」もいいね。女の子を誘拐する「村娘をひとり」は気持ち悪い。朝倉さんはこんな作品も書くのかと驚く。2024/05/07
to boy
26
植物から得た印象をもとに書かれた7つの短編集。どの話も日常ではありえないようなおとぎ話のようでした。「いろんなわたし」と「趣味は園芸」が良かった。2020/07/21
ちょん
17
短編集。朝倉さんのちょっと気持ち悪い感じが出てる話もあってうれしかったけど、尻切れな感じの話が多かったのが残念。気持ち悪くて好きだったのは「村娘をひとり」、読んでて地味ーに共感してしまったのは「趣味は園芸」でした❗ 最近同時にいろんな本を読みすぎてて頭の整理がつかないです(笑)2019/04/13
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