出版社内容情報
会話劇の名手が描いた心理ミステリーの傑作が装い新たに登場。大物女流作家の死は、自殺か、他殺か……? 一気読み必至の傑作!耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、四年。時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された。ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、出版プロダクション経営の静子。なごやかな会話は、謎のメッセージをきっかけに、告発と告白の嵐に飲み込まれてしまう。はたして時子の死は、自殺か、他殺か――? 長篇心理ミステリー。
恩田陸[オンダリク]
著・文・その他
内容説明
耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げて四年。時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された。ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、出版プロダクション経営の静子。なごやかな会話は、謎のメッセージをきっかけに、告発と告白の嵐に飲み込まれてしまう。重松時子の死は、はたして自殺か、他殺か―?傑作心理ミステリー。
著者等紹介
恩田陸[オンダリク]
1964年生まれ。92年『六番目の小夜子』でデビュー。『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞と本屋大賞、『ユージニア』で日本推理作家協会賞、『中庭の出来事』で山本周五郎賞、『蜜蜂と遠雷』で直木賞と本屋大賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さてさて
236
『問題は、誰かが噓をついてるってことよ』と、五人の女性たちが、あれこれ『告白』する中に、重松時子の死に隠された真相を浮かび上がらせていくこの作品。そこには『なぜ嘘をつくの?』と、お互いの『告白』の中に『嘘』を感じる面々の戸惑いと『あたしは知りたいわ』と真実を求め、さまざまに推理を巡らせる五人の駆け引きが絶妙に描かれていました。小説家である主人公の語りに恩田さんの作家としての本音?を垣間見るこの作品。安定した恩田節の中に、サクッと読める”ミステリー”。なるほど映画化されるよね、この作品…と感じた一作でした。2022/12/04
パトラッシュ
226
自殺した女流作家の関係者の女性5人が亡くなった家で昔を語り合っていたのが、奇妙なメッセージが届いたのをきっかけに少しずつ調子が狂っていく。故人絡みで抱えていた各人の秘密が暴かれ、意想外な結末にたどり着いたと思いきや再び逆転されるプロセスは鮮やか。こうしたドラマはキャラの対立で緊張感を醸し出すのが常道だが、ここでは飲食を楽しむ女子会さながらで進んでいく。「なぜ作家は死を選んだのか」という謎を、ほぼ純粋な会話劇だけで解きながら飽きさせない筆には感嘆する。夢中でページを追わせる楽しさこそ、小説を読む喜びなのだ。2022/11/13
麦ちゃんの下僕
174
著名な女流作家・重松時子が薬物死してから4年…時子が亡くなった2月の第2週の木曜日を挟む前後3日間、時子の住まいだった「うぐいす館」に今年も5名の女が集まった。例年通りなごやかな“偲ぶ会”になるはずが、謎のメッセージをきっかけに“告白”と“告発”の嵐に!果たして時子の死は自殺!?他殺!?……“真相”が二転三転する展開はかなり面白いですね!ただ毎日少しずつ読んでいたので、誰がどんな発言をしたのかうろ覚え(苦笑)…これは一気に読んだ方が楽しめるはずです。タイトルの「木曜」&「組曲」の意味も良い感じですね♪︎2022/06/27
れみ
107
4年前に亡くなった小説家・重松時子。彼女の家に毎年集まり忍ぶ会を催す5人の物書き稼業の女性たち。謎のメッセージをきっかけに時子の死の真相や生前の様子について、様々な説が繰り広げられる3日間のお話。次々に入れ替わる視点と新たな事実、告白、告発。緊張感がありつつも、和やかに会話が進んだりおいしい食事に舌鼓を打ったり…緩急が見事でついつい引き込まれた。2019/09/22
あや
97
やはりこの作品、好きだなぁ。 数ある恩田さんの作品を本棚に並べ、背表紙を目で追いながら作品の内容を頭に思い浮かべた時、「もう一度この本が読みたい!」と1番ワクワクさせられる。 5人の登場人物が全員物書きを生業としており、その5人の会話や心理描写がリアルで、それを読んでいるだけで楽しい。物語の真相に辿り着いたかと思うと、更にその上に真実があるというどんでん返しも魅力的。 また時間をおいてこの作品を再読するのがすでに楽しみ。2025/03/04
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