出版社内容情報
核兵器時代の権力の暴走を冷酷に描いた表題作他、虚々実々のサラリーマン社会を舞台としたユーモア&サスペンス傑作七篇。
内容説明
首相主催のジャーナリスト懇親会へ編集長の代わりに出席した月代。彼を見たときの首相の驚いた顔は、まるで幽霊を見たかのようだった。数日後、急に編集長が亡くなり、月代は車に轢かれそうになり、家に石が投げ込まれ、家族にまで災難が迫ってきた。俺が何をしたというのだ?ふと、五年前ある温泉町のバーで男と話した記憶が蘇った。自分が狙われる理由があの夜の出来事にあったのだ。
著者等紹介
赤川次郎[アカガワジロウ]
1948年、福岡県生まれ。’76年、「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞。ミステリの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coco夏ko10角
32
7つの作品収録の短編集。『冷たい雨に打たれて』のみ女子大生主人公で他はサラリーマン。『善意の報酬』では善意で人を助けようとしたら…ってリアルな怖さが。『手土産に旨いものなし』が特によかった。2018/11/14
『よ♪』
8
読み終わった。再読。初めて読んだのは小学校か中学校の頃だ。表題作に当時も大きな衝撃を受けた。読んだ当時は平和ボケしたような日本に、フィクションとして興味深い作品だと思った。その後、大人になって、言論の自由って本当にある?的な違和感を日本に感じるようになり。。。今また、今の時代にまた。日本は本当に正しい方向へ向かっている?2017/11/13
リリパス
5
サラリーマンものが6つと、女子大生ものが1つの、7つのお話が入っている短編集です。どれも面白いお話でした。2017/12/05
はち
3
どの短編もおもしろかったけど一番残ったのが一番最初の「コピールーム立ち入り禁止」一冊読み切るまであのラストがずっと残ってた。。めちゃくちゃ引きずる後味。紀子の気持ちを思うとやりきれない。茂との立てこもりシーンが爽快だったから余計に。。被害者が悪で加害者が善みたいなものって実際結構ありそうだよね。ブラックありサスペンスありユーモアありで大満足😊2022/08/27
M
2
コピールーム立ち入り禁止 なんともやりきれない。会社で散弾銃をぶっぱなすのはちょっと…。奥さんが世間知らずのぽわっとした方で、そこが和んだ。 善意の報酬 これもやりきれない。ダブル奥さんにイライラする。 手土産に旨いものなし 虚しすぎる。でも、よく分かる。どうせ他人の集まり…。 世界は破滅を待っている 「現代ではみんなが人質さ」「核兵器と隣り合わせに暮らしているんだよ。避けようがない限り、千キロ離れていても、隣の家にあっても同じことだ。いや、同じ家の中にあるようなものか」 ここがとてもしっくりくる。2021/03/04
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