出版社内容情報
自分の出世のために裏切った女への贖罪の旅。二十年の時を経て始まった男と女の二重生活の行方は……!? 長篇サスペンス。
内容説明
名古屋の建設会社社長・時津逸人は、すい臓ガンの疑いを告げられたとき、これまでの人生を振り返り、若き日の苦い恋の記憶が蘇った。出世のために捨ててしまったかつての恋人に会って償いたい…。女との意外な再会。彼女は時津の記憶をすべて失って、一人で生きていたのだ。二十年の時を経て始まった二人の二重生活。そして、男の人生が裁かれていく…。傑作長篇サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mm
15
20年前に傷つけて捨てる形で別れた女思い出さないようにしていたが、がんの疑いが持たれ、死ぬかもしれないと想像する状況になったとき、彼女に償いをしたいと思う。という出だしから、実は癌ではなくて、命拾いしたのだから、やはり彼女に償いを…となってああだこうだと男は周りにメーワクをかけながら、自分が選ばなかった人生を取り戻そうとする。この辺りの独りよがりのセンチメンタリズムには、多分多くの読者がブーイングしたと思う。書かれていないが、女が男の「償い」とやらに復讐の下心で話を合わせていく心理の方が葛藤に満ちてる?2022/07/17
けろにょん
1
なんてバカで嫌な奴、と主人公に対して思いながら読み続けた。 読みながら、ずっと胸クソ悪く、でも途中でやめるのも悔しく(笑)、どうかこの主人公に重い罰が当たりますように、と期待しながら読んだが、夏樹静子氏の優しさだろうか、この終わり方。甘いよ、甘い!(笑) 妻や子、そしてヒロイン、何よりも柳原一根という友人をも蔑ろにしたことが、私には一番許せなかったかも。 とにもかくにも、私には約30年ぶりの夏樹作品でした。2024/01/31
やす
1
面白かった。面白かったけど、どう考えても主人公は身勝手なひどい奴だと思う。でもそんな主人公に感情移入してしまった。2018/11/06
ddkenny
0
他愛のない2時間ドラマの原作用に書かれたような作品。夏樹静子サスペンスですかね2018/10/14