内容説明
ある日突然、婚約者の里美を事故で失った漫画家の陣内龍二は、衝撃のあまり、連載中の漫画のヒロインを作中で殺してしまう。ファンレターは罵倒の嵐。だがそのなかに、里美の死を予知する手紙があった。送り主の神崎美佐とは何者か。本当に死を予知する能力があるのか。失われた恋人への狂おしい想いの果てに、陣内が辿り着く予測不能の真実!最後の1ページであなたは何を想いますか。
著者等紹介
浦賀和宏[ウラガカズヒロ]
1978年神奈川県生まれ。98年に「記憶の果て」で第5回メフィスト賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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SF・ホラー本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
166
2013年発売の文庫本初版の帯に「立ち読み厳禁!」と書かれていますが、まあ全ての本が当然そうですね。本書は人気SF漫画家を巡る殺人予知能力を絡めた異色のサスペンス・ミステリで後半の二転三転のどんでん返しに頁を繰る手が止まらなくなる今の若い世代にアピールする現代推理の力作だと思いますしトリックも悪戯に複雑でなく理解し易いのが良いですね。中間部分までに動機のヒントは示されていますが殺人以前なので読者に的を絞らせないテクニックや真犯人を隠す騙しの技巧も素晴らしいですし、最後のSF的な幕切れに希望を感じましたね。2020/12/11
takaC
101
なかなか良く考え抜かれた構造だと思うが読者(オレ)との熱交換はあまり効率が良くなかった。2016/06/06
ちーたん
84
★★★★☆人気漫画家・陣内は最愛の婚約者・里美の事故死をきっかけに漫画のヒロインを突如亡き者にしてしまう。読者から批判の手紙が殺到!その中に里美の死を予言する1通の手紙が…。陣内は送り主である神崎と接触。彼女は自分は予知能力者だと語り、その後新たな予言(死)が現実化する。一方ヒロインを崇拝していた読者の男は陣内の殺害計画を立て始める…最後まで目が離せない展開!ラストは禁じ手とも呼べる評価割れそうなラストだけど私は楽しめた!※著者の訃報が2/25に入りました。まだ41歳の若さ。ご冥福をお祈りいたします。2020/03/15
みっぴー
64
※ごめんなさい、凄く辛口です※物語の出来不出来を論じる前に、作風が苦手。メインとなるキャラクタが二次元のヒロインに陶酔するオタクという設定なので、仕方ないと言えばそれまでですが、言葉の選び方や使い方が雑で投げやり。もう少し改善出来ないものかと、不快感が付きまとう読書だった。ページが進むたびに気が塞いでいく。曖昧な終わり方も不満。ただ一つ、本心から納得した言葉は、作品は『こわれもの』だと言うこと。書店やネットに創作物が溢れる世の中で、作品とどう向き合うか。我々のモラルが問われている。2017/12/01
JKD
60
散りばめられた伏線がジワジワと融合して、後半から一気にたたみ掛けてくる感じはとてもスピード感があっていいんだけど、最後の逆転劇で軽く混乱してしまった。いやぁ、ここまで根深い話だとは思わなかったです。 そりゃそうと、細野が高橋龍一って・・・これってYMO絡んでる?2013/05/18