徳間文庫
食物のある風景

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  • サイズ 文庫判/ページ数 279p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784198936853
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

昭和三十年代の東京で、谷中の墓地近くの家から四つの区をまたにかけて遊びまわっていた子供時代の風景、お年玉用に千円のピン札を三つ折りにする手伝いをしていたお正月の記憶や、生まれ育った東京下町への思い、沖縄のおばあの智恵と伝統食の魅力を綴る吟醸エッセイ。

目次

1 わが街の記(谷中っ子;東京有情;区境育ち ほか)
2 食物のある風景(マッチャンばあばの「らふてぃ」;夏の風情は屋形船にどぜうと冷や汁;ガラス越しのマロンパフェ ほか)
3 志乃の沖縄ノート(「ぜんざい」立志伝;沖縄の「クスイムン」)

著者等紹介

池波志乃[イケナミシノ]
女優、エッセイスト。落語界の名門に生まれ、俳優小劇場養成所を経て新国劇に入る。74年NHK連続テレビ小説『鳩子の海』でデビュー。以後、『悪魔の手毬唄』『鬼平犯科帳』など映画、テレビ、舞台で活躍。無類の読書好きで、書評、文庫解説も多く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

24
辞書の「あだっぽい」の項で挿絵になりそうな人。落語家の娘として谷中で育った様々なエピソードが楽しい。出てくる食べ物は江戸風から海外までバラエティ豊か。白飯に薄焼き卵を一枚のせてウスターソースをかけたのが素朴で、特に美味しそうだった。中尾彬との新婚時代、お重にご馳走を詰めて毎日持たせた。ある日裏方さんに注意され、夫に負担をかけていたと気付くのだが、当時の著者の恥ずかしい気持ちがよく伝わる話だった。沖縄に住んでからの体験談、食材へのこだわりも盛り沢山である。2017/07/05

きりぱい

11
池波志乃・中尾彬夫婦に特に興味はないけれど、祖父の志ん生ゆずりなのか(知らなかった!)すっきりした語り口のエッセイはなかなかよかった。子供の頃の家庭や下町での様子、越乃寒梅が結んだ夫婦の縁、沖縄に第二の家を構えてと、沖縄という風土が合うのかかなりお好きなようで、沖縄ならではの店や食材を語った章もある。面白いのはそこ以外の食に絡んだ回想の部分だけれど。「最近目につく「○○さんがつくったトマト」とかいうもの、そりゃあ誰かが作ったんでしょうよ。じゃあナニかい?他のものは責任持てないってのかい?」確かに。2013/09/30

きき

7
単なる食べ物エッセイではなく、食べ物を通して見た池波さんの故郷、エピソードがとっても魅力的。どの食べ物にも家族や旦那さん、様々な人達との想い出が詰まっていた。下町育ちの池波さん。私の思い描いていた「下町」の印象とは少し違った雰囲気もあったけれど、人と人との繋がりが強く、だからこそ味わえる食べ物があるんだと思った。お弁当のエピソードが個人的には衝撃的なところがあった。(達磨ストーブに籠をかけて温めておく)それからぜんざいの話。様々なお店のぜんざいに纏わるエピソード。こんなに奥が深く情熱があるものだったとは!2016/08/17

UBA

6
最初の1頁目13行を本屋で立ち読みして“これは買い”と思った一冊。いざ買って読み始めたら・・・期待を裏切らない面白さについついラストまでイッキ読み。女優さんであり噺家の娘さんでもある著者の軽妙でテンポのいい語り口はなんとも心地良く、料理や食文化への造詣の深さにも驚かされます。からりと“粋”な本編に対し、あとがきでホロリとさせられました。もっと読んでみたい、池波志乃。2013/06/04

ss

4
文書が軽快で読みやすく、ファンになってしまいました(^_^)! 母の実家が沖縄なので、しょっちゅう帰っていた私。ゆかりのあるもの、地名、お店も多くて親しみを感じました。2013/09/07

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