内容説明
「遅くなっちまったな」乱蔵が言った。露木圭子の全身が震えた。へたり込みそうになった圭子を、九十九乱蔵の大きな手が包んだ。卒論で安土城をテーマに調査を重ねるうち、長野県の旧家にまつわる呪いに巻き込まれた女子大生、圭子。謎の老人寒月翁や、鬼勁を操る贄師紅丸らが跋扈する中、囚われの身となったところに、救いの手をさしのべたのは…。因縁と怨念と呪詛の物語、堂々完結。
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
1951年、神奈川県生まれ。東海大学文学部日本文学科卒業。77年、「カエルの死」で作家デビュー。『キマイラ』『闇狩り師』『サイコダイバー』『陰陽師』など、多くの人気シリーズを持つ。89年、『上弦の月を喰べる獅子』で日本SF大賞を受賞。98年、『神々の山嶺』で柴田錬三郎賞を受賞。2011年『大江戸釣客伝』で泉鏡花文学賞を受賞。また同作で12年に吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kira
17
図書館本。ノベルズ版既読。九十九乱蔵の圧倒的な力と優しさにしびれまくった。出番こそ少ないが、ここぞというときに現れて他を寄せつけない。十五年にわたる恨みと復讐の物語だが、エログロと暴力の度合いはシリーズの中でも屈指なのではないだろうか。それでも乱蔵に魅せられて夢中になって読んだ。2024/02/10
よよよ
1
面白かった。バトルは迫力あるし、えぐいところはえぐいし、エロいところはエロい。そして夢枕作品ならではの哀切さもしっかり描かれている。主人公の乱蔵は相変わらずの安心感だが、個人的にはひろしの動向が気になってページをめくり続けた。さて、続刊の評判がいまひとつなので、私は今作をもって闇狩り師の終わりとするかな。2019/03/18
Ryosuke
1
竹2018/05/11
Minoru Tsuchiya
0
続いて下巻読了。いろいろ客演?キマイラシリーズのキャラ名が出てきて楽しめました。今回は乱蔵の活躍シーンが少ない様に感じましたが、それでもパワー感で読ませてしまうような作品です。また別の作品もあるので機会があれば読もうと思います。2016/09/22
S.F.River
0
昔、夢中で読んだ。 5.0