内容説明
一本の電話に、月刊グローブ編集部は騒然となった。男女五人を凄絶なリンチの果てに殺した罪で起訴された下田健太。その母である下田茂子が独占取材に応じるというのだ。茂子は稀代の殺人鬼として死刑になったフジコの育ての親でもあった。茂子のもとに向かう取材者たちを待ち受けていたものは…。
著者等紹介
真梨幸子[マリユキコ]
1964年宮崎県生まれ。『孤虫症』で第32回メフィスト賞を受賞し、デビュー。ホラー、ミステリの手法を使いながらも人間心理の襞に分けいる著者独自の作風は、多くの読者、評論家から熱い注目を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のり
227
殺人鬼フジコの従弟の下田健太が大量殺人の容疑で起訴されたが、一審で無罪判決とされる。そんな中、健太の母親であり、フジコの育ての親の茂子が取材を受けると申し出てくるが…前作から引きずってきた違和感が更に募ってくる。フジコ始め、この血筋のおぞましさ、巧みな会話術には背筋が凍る。全ての元凶はコンプレックスに…とにかく生々しい事件の真相と展開に驚愕。実際はありえないが、警察と検察の無能振りにはガッカリ。まだまだ何か起こりそうだ。2018/03/23
こうじ
203
⭐️⭐️⭐️⭐️4/5 面白かった(*^_^*)しかも凄かった!^_^藤子の真実も分かったし、すっきりしたが、心の衝動がおさまらない^_^;う〜ん、凄い内容だったしか言えない^_^;2016/07/02
にいにい
194
後味の悪さを堪能させてくれる作品。終わり方が、少し唐突?性急すぎたか?2013/01/22
た〜
171
正直前作のような衝撃は感じられず。若干期待はずれ2012/12/03
utinopoti27
169
自分に関わる人間を悉く殺害した稀代の殺人鬼フジコ。物語は、彼女の死刑が執行された時点で終わるはずでした・・。本作は、あの北九州の惨劇をモチーフに、イヤミスの女王が挑んだサイコサスペンスです。物語のキーマンは、他人を恐怖によって支配し、人格を崩壊することに無上の悦びを感じるサイコパス下田健太と、その母茂子。蜘蛛の巣に捉われるように、じわじわと彼らの悪意に取り込まれる女性記者の運命から目をそらすことができません。負の伝播、箍が外れた人間の怖さを存分に味わえる、イヤミスのひとつの到達点がここにある気がします。2018/03/30