内容説明
世界同時不況下の日本で、若者による通り魔事件が頻発しだした。フリーターの金子将太は魔手から若い女性を救うが、二人は名乗ることもできず別れる。犯行は財界人テロへと激化。背後には絶望した若者を糾合する新興宗教政党の動きがあった。将太が救った中国人女性が、また食いつめ来日した米中の男たちが帯びる任務とは?国家存亡の事態が迫りくる!憂国のクライシス・ノベル。
著者等紹介
江上剛[エガミゴウ]
1954年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、第一勧業(現みずほ)銀行入行。97年の第一勧銀総会屋事件では広報部次長として混乱収拾に努め、事件を材にした映画『金融腐蝕列島呪縛』のモデルとなる。02年、勤務の傍らデビュー作『非情銀行』を上梓。03年から専業作家となり、ヒット作を生み続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まつうら
19
なんだか雑なプロットで、渋谷から日野に行進を始めるあたりから読むのが辛くなった。それでも、日野で戦車が砲撃を始めたところで、ストーリーに巻き返しがあるかもと思って読み続けたが、よくわからないまま読み終えてしまった。 登場人物の行動も何とも不可解だ。神島は総統であり夫なのに、どうして真央の予定外行動を咎めないのか? 将太は神島にとって、破壊活動を妨害するヤツになっているのに、なぜ行動を共にするのか? 著者には申し訳ないが、読後感のとても悪い一冊だ。2021/09/17
isagawa
7
リーマンショック後の不況時、世界は不満に満ちていた…… 日本では通り魔事件が頻発し始める。犯人はみな「正義」「希望」等と書かれたTシャツの若者。そして「死にましょう。殺しましょう。誰かを殺して死にましょう」と説いてまわる白装束の男。 新手の新興宗教か? やがて通り魔は政財界のトップを狙い始める! 通り魔から女性を救った将太、その不思議な癒しの力を持つ真央、将太の兄で警察庁の健、日本創生党を立ち上げる創生教団総統の神島…… そして日本転覆の計画が発動する!! でもこのラストは無いわ~(ToT)2017/12/09
マギカ鍋
5
渋谷で通り魔事件が発生しハチ公前では白装束集団が「殺しましょう死にましょう」と唱え徘徊する。そうしているうちに経団連会長や全国銀行協会会長などが次々と殺されていく。派遣労働者が3人に1人の今、信頼関係や責任の所在が曖昧で将来設計など困難。正社員とて多少マシなだけ。若年ホームレスを誘い悪用する者も当然現われる。社会における信頼関係が強固であれば秩序維持も機能するが、その喪失によって、こんなにも危うい。実際はもっと複雑だが、この危うさは間違いない。「生きるために生まれてきた」の叫びが悲痛に響く。2012/05/18
terukravitz
4
図書館本★☆☆☆☆2014/05/06
あむけ
4
著書は今の日本の状況の警告のように、終盤にはク-デ-タ-一歩手前まで爆発させた集団の狂気を描く。 ふ-ん、派遣切りなどの世相を反映しているとは思うが、こんなに悲しい世の中になっているのか?と思ってしまった。2012/11/21
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