内容説明
甥の翔が生まれたとき、目元が由希によく似ていると言われた。似ていたのは顔だけでなく、幼い翔は絵の才能があった。画家になることが夢だった由希は、その夢を託すように彼に絵の指導を始めた。いつしかその思いは過剰なものとなるが、成長する翔の時間は他のものに奪われていく。焦燥を隠しきれない由希は―(「愛甥」)。全七篇、様々な家族のカタチを描く珠玉の作品集。
著者等紹介
新津きよみ[ニイツキヨミ]
長野県生まれ。『トライアングル』(角川書店)がTVドラマ化され大ヒット(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふじさん
82
新津きよみの作品は、読んでいていつも心にざわつきを感じる。「女友達」「愛甥」は、行き過ぎた人生の勘違いが引き起こした話。けっこうぞくとする内容。「別居」は、熟年離婚の危機にある夫婦の話。最後のオチが洒落ている。「義理の兄」「ステップファミリー」は、慎みの行き過ぎが禍の元。「実家」は、何もかも失ったヒロインの悲しい結末が何とも言えない。「孤独症の女」は、お一人さま症候群の結末?さてどんなものか。様々な家族のカタチが描かれているが、この作家は、読者の心を最後までは穏やかにさせてはくれない。心にもやもやが残る。2025/01/06
coco夏ko10角
25
家族の繋がりがテーマ、7つの作品収録の短編集。特によかったのは『愛甥』。『別居』希望する老後の過ごし方が異なる夫婦が別居していて…オチ以外はそのままこういう夫婦が実在しそう、いや、もしかしたらオチまで近い人がいるかも。『実家』では房子のざわざわが強くなっていくのが伝わってきて。2020/04/17
きのぴ
19
様々な家族の形を描いた短編集。どの話もホラーで、どう決着つけるの?!って気になる話も多くてぐいぐい読めました。歪んだ家族を端から見ているようで、不謹慎だけど面白かったです。満足度の高い短編集でした。2018/08/26
らす
15
去年あたりに初めて読んでハマりだした新津さん。短編は初めて読んだけど、薄暗くて暗い気持ちになるけど面白かった笑。誰もがどれかのお話に少しは当てはまる可能性がありそうなのが怖かったし後味も悪い。でも、やっぱり面白い。2018/08/04
ねこまんま
13
いろんな家族の微妙なお話、それぞれがちょっと逸脱した関係性だったりするのでキモチワルイ感じが面白い。 全部、軽く読めるし、短編なのでちょこっと時間つぶしに良い! 2014/01/24
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