内容説明
多恵が長屋に現れたとの報せに、身過ぎの賭け出刃を放り出し、潔く仇を討たれんと駆けつける半兵衛。が、「お逃げください一生あとを追います二人が共に生きる道はそれしかありませぬ」という書き置きを残し、姿を消す多恵。たとえ相惚れの許嫁とても、斬らねばならぬ武家の掟に、半兵衛は逃げるほか、活路を見出せるのか?そして、彼らを悲運の渦に突き落とした御家の事情とは。
著者等紹介
花家圭太郎[ハナヤケイタロウ]
1946年、秋田県生まれ。明治大学文学部仏文科卒業。フリーライターとして活躍後、98年に『暴れ影法師』(集英社)でデビュー。緻密な考証と壮大な構想、花鳥風月を詠うような筆致で、現在もっとも注目されている時代小説作家のひとり(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
31
再読。シリーズ3作目の最終巻。元許嫁の多恵が江戸へ来る。討たれる覚悟の半兵衛の脳裏には、多恵の父を斬ったあの雪の夜が蘇る。仇討の場が深川洲崎の六万坪となるクライマックスを見事なまでに忘れていたため、再度涙の感動に浸ることになりました。ひょっとしてこれが花家さんの遺作だったのだろうか。2021/09/03
あかんべ
11
もっと読みたかったのに、3巻で終わり。今回シリーズの肝である敵討ちに決着がつく。なぜこうなったかの事件経過も分かり、多恵の気持ちなども確かめられた。半兵衛のキャラが好きでもっと読みたかった。2015/03/03
ぶーにゃん@積ん読本解消中
3
ついに敵討ちに現れた多恵に会う半兵衛が切ないですね。どうして多恵の父を斬ってしまったのか?と国元のお家騒動に半兵衛がどう携わったか?が明らかにされます。こういう解決策で大団円にもっていったかと納得しました。やはり、気持ちのいい終わり方は余韻を残して終わりますね。2011/05/27
すずめ
2
完結。半兵衛はラストまでずっと半兵衛らしく、多恵殿は口伝で語られてたままの多恵殿だった。大変気持ちのよい終わり方。2011/02/04
がしがし
1
いいね、3~5冊くらいで終わったほうが話しも忘れず、中弛みもないよね。2016/06/16
-
- 和書
- いまこそ輝け平和憲法