内容説明
父の壮一郎が無実の罪を着せられ、江戸に流れた十四歳のお百合。御家人からの縁談もあったが、唯一の肉親である壮一郎を看取るまで世話し、とうとう三十一歳になってしまった。そして忘れもせぬ仇が現れた…。かつて御庭番だった草苅晋兵衛は、足音を消し、仇を尾けるお百合に近づいた。暗い表情が気になったのだ―。わしが力になるから貴女は待っていて下され。笑顔で生きよ。
著者等紹介
芦川淳一[アシカワジュンイチ]
1953年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。出版社勤務を経て、作家デビュー。滑稽さに心の機微を巧みに映す筆致が好評を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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文句有蔵
3
よかった……けれど、終始秋山小兵衛がチラついてしょうがなかった(笑)晋兵衛には元お庭番という過去があるが、その後は町道場を開き剣客として生き、今は隠居という身分なのは小兵衛と同じ。どちらも老いて尚凄腕。どちらも事件を解決してゆく筋立てで、どちらも遥か年下の、女中に懸想をする。この巻では「まだ」だが、近い将来晋兵衛も百合と一緒になるだろう。……まんま秋山小兵衛じゃないか( -_-)いや、人物は小兵衛の方が魅力に勝る。またお庭番があっさり退職出来るとは到底思えないので、これは作者の申し訳だろう。二番煎じ☆2014/12/27
めにい
2
各話の主人公がそれぞれ切ない。ご隠居の恋の進展も知りたい。2014/06/16
M2
0
このシリーズはいまいち微妙。ご隠居と掛け合いのできる相棒がいないせいかも。息子夫婦(未だだけど)とご隠居のやり取りが微笑ましい。3話目は切なかった…。2011/07/27