内容説明
浴室に転がった孝の生首が、貴子を見上げていた。「いゃあっ!」。貴子は悲鳴を上げ、生首を蹴り上げた。「お父さん!」。優太が、赤い飛沫を上げながら排水口に転がる生首を慌てて拾い上げた。―死体の解体を終えた貴子は最後の足をゴミ袋に詰めた。手伝わされた優太は完全に壊れていた。この場で繰り広げられている地獄絵図は、富永の存在なしには起こり得るはずがなかった。洗脳、私刑、殺人、死体解体そして驚愕のラスト。
著者等紹介
新堂冬樹[シンドウフユキ]
1966年大阪生まれ。金融会社勤務を経て『血塗られた神話』(第7回メフィスト賞)でデビュー。以後、快進撃を続ける大迫力のベストセラー作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
210
実際にあった事件の話!序章である程度のあらすじを書かれてるので、読むのを断念するか、恐ろしいなんとも怖い世界に入っていくかの判断を序章で読書に委ねるのは新堂冬樹さんの優しさなのかな。とりあえず読み進めたが、しんどいし、怖いわ、グロいわ、読んでて何度、ウワーッ!ゲー!となったか…(>_<)ほっこり系、ほのぼの系が好きな方には、オススメできません。怖いもの見たさで読む方は相当な覚悟がいります。黒新堂はこれが最後!誰がなんと言おうとも絶対に黒新堂は読まんぞ~!あーしんどかったわ。2018/03/06
takaC
101
あの事件をモチーフにした小説で著者が何かを訴えかけているのだろうと予想して読んでみたのだがドラマ風に事件をなぞっただけだった。この本の存在意義は何だろうね。2014/08/20
Bugsy Malone
84
2002年に発覚した北九州監禁殺人事件をモデルに書かれた小説。以前、この事件のノンフィクション「消された一家」を読んだ事もあり、新堂さんが事件をどの様にフィクションとしたのか興味があった。現実の事件をなぞっている内容に、嫌ぁな気持ちになりながらもついつい読み込んでいる自分に嫌悪感を抱きながらの読了。結果、フィクションよりもあの犯人は数段鬼畜なのだということが解った。2017/03/26
ゆいまある
70
先にノンフィクションの「消された一家」を読んで、続けて小説のこちらを。作家の想像力は真性サイコパスに及ばない。ノンフィクションの方を100倍希釈して砂糖かけたぐらい甘いし手ぬるい。いえ、この小説も新堂さんのブラックさが出ていて、充分エグいんですが、精神的な締め付けが緩いし、廃人になる前に殺してくれるので、読むのが楽です。消された一家は、もう止めてあげてー、いっそ死なせてあげてーと思いながら読みましたから。人々が残酷な事件に群がるのは、サディスティックな性欲を満足させたいからだということはよく分かります。2018/10/24
yomineko@ヴィタリにゃん
69
今朝の4時までかかって読破しました。富永哲=松永太(ふとし)ですね。wikiでは名前は何故か伏せられていますがとても有名ですからみんな知ってると思います。途中で何度も松永に殺意を覚えました。図書館本なのについ床に叩きつけてしまいました。この本の内容も相当ですが実はもっと酷かったんですよね。松永は死刑囚ですがまだ刑は執行されておらずホッとしました。と言うのは現世でもっともっと死刑の執行日まで苦しめばいいんです。実行犯とされる緒方は異例の情状酌量で無期になりましたが彼女も被害者で本当に気の毒です。2021/05/07