内容説明
「かわいい…」武州槻山藩のばか若殿は、小さく呟いた。じゃじゃ馬鶴姫との顔合わせは万々歳と思いきや…。見た目は芋侍でも、剣は滅法強い亀治郎に逢いたい鶴姫は、なんとかして、逃げ出したくなった。さっそく家臣に相談すると、一様に皆、はぁーっとため息を吐いて、いかにも嫌そうで。姫のわがままを聞いては、何が起こるかわかったものではないからなのだ。やめてちょんまげ。
著者等紹介
沖田正午[オキタショウゴ]
1949年、現さいたま市生まれ。埼玉県立与野高校卒業。新進の時代作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雅
55
爽快な時代小説。いい気分になれる2021/06/01
はにこ
29
輿入れ前の鶴姫が再び市井に!前作の破落戸連中、頭の白い爺と頭の光る爺も、そして亀治郎も再集結。濡れ衣をかけられた店の娘を救うべく亀治郎達は大活躍だった。姫は実はあんまり何もしていないような。。爺達の出番も少なくて残念。2021/05/10
とし
24
沖田正午さん初読みです。軽妙なストーリーで、ちょっと気分転換に読むのに良いな~。水戸黄門は三つ葉葵の印籠を見せて悪人を斬ってしまうが、三つ葉葵のお守りは、何事もなく収まってしまう、ほんわかとした作品です。2013/07/17
うずら
21
姫様シリーズ第2弾だべ。鶴姫様お輿入れまで、あと数日。事件に巻き込まれ飛び込んで行くのはお鶴ちゃん、見た目と訛りに侮られる剣豪は亀治郎、そして姫様に振り回される三人の家来達、といった“お約束”は時代劇ならでは。しかも、“囮として歩かせた者の後を付ける商人の後を追う武士二人、その後を付ける浪人二人の後を尾行する男”という図!助けるために踏み込んだ屋敷で、勢いよく開けた襖の滑りが良すぎて跳ね返って閉まってしまった襖!ちょっと間抜けで和みます。真剣だけど緊張感の足りないやり取りが楽しかった。2014/03/03
シェラ
13
御姫様版、水戸黄門!?亀治郎の武州弁がいい味だしています。2010/11/08