内容説明
双子のように育った遠子と小倶那。だが小倶那は“大蛇の剣”の主となり、勾玉を守る遠子の郷を焼き滅ぼしてしまう。「小倶那はタケルじゃ。忌むべきものじゃ。剣が発動するかぎり、豊葦原のさだめはゆがみ続ける…」大巫女の託宣に、遠子がかためた決意とは…?ヤマトタケル伝説を下敷きに織り上げられた、壮大なファンタジーが幕を開ける!日本のファンタジーの金字塔「勾玉三部作」第二巻。
著者等紹介
荻原規子[オギワラノリコ]
1959年東京に生まれる。早稲田大学教育学部卒。1988年『空色勾玉』でデビュー、日本を舞台としたファンタジーの書き手として一世を風靡、アメリカでも翻訳出版されて話題を呼ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
財布にジャック
101
さりげなく勾玉がデザインされたこの綺麗な表紙からは想像できないような、切ないストーリーでした。ヤマトタケルを下敷きにしたファンタジーで、大蛇の剣や勾玉をめぐる「勾玉シリーズ」2作目の作品です。この巻では、大碓皇子と明姫の悲しい恋の物語が描かれましたが、主人公の遠子と小倶那の運命は、この後どんな展開を見せてくれるのか、下巻が早く読みたいです。2010/12/13
文庫フリーク@灯れ松明の火
92
【天衣無縫・八方破れ】ヒロイン遠子の愚直なまでの真っすぐさに引き込まれる。『生まれてきてはいけなかったのかもしれない』と独白する小倶那。百世襲姫の母としての愛がゆがんて見えるのはなぜだろう。葦の小舟に流し捨てられた、に古事記の水蛭子(ひるこ)が浮かんでしまう。悲恋の明姫・大碓皇子。脇を固める七掬と、魅力溢れるキャラ。掬の字が変換できなくて辞典引くと【汲み取る・心情を察する】の意有り。深い。巻末近くに登場した曲者・管流。『グインサーガ』のイシュトのような。活躍期待して下巻へ進みます。2010/10/05
優希
82
勾玉三部作の2作目になります。双子のように育ってきながら、運命のいたずらか、相反することになる遠子と小倶那の関係が悲しいところです。10代の若さで2人はそれぞれ大きな重い宿命を背負ったのですね。このまま運命はどう動いていくのでしょう。下巻も読みます。2018/04/08
mayu
71
勾玉三部作②。幼き時をともに過ごした遠子と小俱那は、それぞれに定められた運命があった。自分の意見をはっきりと言い、決めたら時には大胆に行動にうつす遠子。賢いけど大人しい、まわりの策略に気づかぬうちに翻弄される小俱那。大事な存在だったからこそ、いつしか許せない存在になる。無邪気な幼い頃のままではいられない。でも、あんなにいつも一緒にいたはずなのに、本当に戦わなければいけないのか。それでは、あまりにも悲し過ぎる。二人には明るい未来があると信じて下巻へ。2020/10/11
hirune
66
小倶那、可哀想な運命だ(T ^ T)結局悪いのは大王なのに誰も大王を責められないから、小倶那ばっかり責められる。なんとか遠子に救って欲しいなー。3部作とは知らずに「空色勾玉」より先に読んじゃった。今度借りてきて読もう、うん。2014/06/12