内容説明
書評家の林雅賀が店長の蒼林堂古書店は、ミステリファンのパラダイス。バツイチの大村龍雄、高校生の柴田五葉、小学校教師の茅原しのぶ―いつもの面々が日曜になるとこの店にやってきて、ささやかな謎解きを楽しんでいく。かたわらには珈琲と猫、至福の十四か月が過ぎたとき…。乾くるみがかつてなく優しい筆致で描くピュアハート・ミステリ。
著者等紹介
乾くるみ[イヌイクルミ]
1963年生まれ、静岡県出身。静岡大学理学部数学科卒業。98年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞して作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
射手座の天使あきちゃん
323
100円以上で本の売買をすれば薫り高い1杯の珈琲がサービスされる そんな夢のような蒼林堂古書店、近所にあったら通いつめますよねぇ「読書メーター」ファンなら(笑) 私も13話の暗号解読後の日本語の意味が分かりませんでした、誰か教えてくださ~い♪ お願いします!! m(_ _)m2013/04/03
takaC
303
いやはや、完全に為て遣られました。一冊で三度(物語&ミステリうんちく&大技トリック(?))おいしい。脱帽。2010/05/27
hiro
265
浩、一樹が女性、くるみが男性と作家の名前から性別は判断できませんね。「バンドワゴン」「無窮堂」「ビブリア古書堂」と読んで、読メでこの本を知り、古書店つながりで読むことにしました。蒼林堂古書店はミステリー専門の古書店で、ここが他の作品と違うところ。蒼林堂に集まる常連と店主が日常ミステリーを解決する14編の連作短編集だが、張られていた伏線が最後に回収されてほっこりさせる。短編の後に付いてる店主のミステリー案内を読むと読みたい本が増えてしまうのご注意を。どの男性作家さんも登場させる女性は美人がいいようですね。2012/03/11
kishikan
215
ミステリファンには、たまらない本。商店街からちょっとはずれた場所にあるミステリ専門の古書店が舞台。100円以上の売買をすると、店の奥でコーヒーが飲めるサービス付(いいなぁ、こんな本屋さんがあったらなぁ!)。そこに集う4人とマスターが本にまつわるミステリ談義をする14の短編集。それ自体ミステリの要素があり面白いんだけど、一編ごとに関連する推理小説が紹介されており、これまたたまらない魅力。でも知らなかった、森博嗣さんの「夏のレプリカ」「赤緑黒白」そして「幻惑の死と使途」がこういう風に関連付けられていたなんて!2012/03/20
hamham
197
10分ほどで読める話が14篇収録されている。食後のコーヒーを飲みながら読むのにちょうど良い長さと軽さだ。さながら蒼林堂のカウンターの隅に座り常連の話しに耳を傾けている心地で、コーヒーの香りまでも紙面から漂ってきそうだ。読後感もさわやか~。本当にこんなお店があったら通ってしまうだろうな。というかこんな店を開きたくなった。推理パズルの種類や著者のミステリの知識に圧倒される。『林雅賀のミステリ案内』で紹介された作品を「読みたい本」に登録する作業が捗りそうです。2014/07/09