内容説明
独自の歴史眼で新しい日本史を紡ぎ出す井沢元彦、渾身の歴史シリーズ第四弾!今回のテーマは、ズバリ「怨霊」。藤原氏はなぜ権力を独占できたのか。『源氏物語』成立に秘められた謎とは。明治時代まで朝廷を苦しめた崇徳上皇の呪いとは。歴史のギモンは、「怨霊」でスッキリ解決せよ!平安時代から現代まで、井沢史観で縦横無尽に解説する。
目次
序章 日本史の真実を見抜くために必要な視点とは
第1章 日本に特異な統治体制を決定づけた藤原摂関政治
第2章 怨霊信仰から生まれた日本の鎮魂文学
第3章 天皇・貴族時代を支配した怨霊信仰
第4章 怨霊信仰が日本の文学と政治をつなぐ鍵
第5章 武士政権下で息づく怨霊信仰
著者等紹介
井沢元彦[イザワモトヒコ]
昭和29年、名古屋市生まれ。早大法学部卒。TBS入社後、報道局放送記者時代『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞受賞。その後退社し執筆活動に専念。歴史推理・ノンフィクションに独自の世界を開拓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gonta19
51
2010/3/9 紀伊國屋書店梅田本店にて購入。 2014/6/23〜6/28 井沢流日本史観の入門編の第5弾。今回はお得意の怨霊史観を様々な実例を挙げながら、論じている。 歴史の専門家の視野の狭さをいつもながらに指摘しており、素人の私なぞは井沢史観の方が正しいように思えてしまう。 きちんとした歴史学者の著作を読んでいないのでわからないのだが、学者さんたちは井沢氏のこういう指摘にどのように反応されるのだろうか。2014/06/28
Tomoichi
6
コピペは少し減った気がするが、 怨霊信仰から文学を読み解くところは、面白いかったので6点。2015/09/11
eMI-sAN
4
★★★★☆【2008】アメリカ人の銃に対しての考え方、縄文人と弥生人の考え方の違い、日本の鎮魂文学、院政誕生の背景。「生前退位」の話が着々と進んでいる現在、これって良くないんじゃないかと、日本の未来を危惧する私です。2017/03/26
結城あすか
4
たしかに『源氏物語』のような近代的な文学作品があの時代の日本でいきなし誕生したというのは、やはり執筆の動機が重要だと思うけど、今までの学者の研究ではそのあたりのことが蔑にされてきたって話かにょ。当時は紙も墨も貴重品だったし、文筆業というものが成立していないから、よほどの動機が無ければあんな長編は書けないというのは重要な指摘だと思うにょ。怨霊信仰のこと自体は目新しくもないけど、これを文学史と結び付けて解き明かしてるのは斬新かにょ。2010/04/05
bambigenki
2
日本の文学と政治は極めて密接につながっている。*客観的に歴史をみれば、朝廷政治から幕府政治に移ったのは、怨霊信仰によって、朝廷が警察、軍事を武士に丸投げしてしまったことが原因。2012/02/17