内容説明
痛快ユーモア小説として親しまれている夏目漱石の『坊っちゃん』。実はじつは、維新から日露戦争までの明治社会を痛烈に批判した小説だった―。明治政府への憤り渦巻く漱石と『坂の上の雲』の登場人物たちには、不思議な因縁がある。そこを切り口に日露戦争当時を検証すると、あの名作とは違った日本の姿が見えてくる。数々のエピソードで綴る、ドラマでは見られないもう一つの坂の上の雲。
目次
『坊っちゃん』は『坂の上の雲』への批判だった
秋山好古は、なぜ教員から軍人に転じたか
世界に冠たる意外な提督「東郷平八郎」
漱石をも呆れさせた「金州丸」沈没の虚実
日露戦争の捕虜神話
日清戦争後の「薩摩ブーム」で追い回される「猫と尻」
ベストセラー福沢諭吉『学問のすゝめ』と小学校の意外な素顔
陸軍が吹いた「ラッパ」
「青年」という言葉の生みの親の老獪さ
日本最大の宣伝機関「小学校」〔ほか〕
感想・レビュー
-
- 和書
- 民事訴訟雑誌 〈49号〉