内容説明
本書は、中原を駆け抜けた一騎当千の英雄好漢、権謀術数の姦雄奸賊…興味尽きない彼らの秘話を紹介するだけでなく、陳寿があえて削除した出来事や、立場上、書けなかったことまでも記した逸聞集である。魏蜀呉はもちろん、後漢の奇談も纏めており、人物名は原書通りにすべて正字で表記、巻末には“年表”“人名索引”を附けた決定版といえよう。
目次
魏の章(徳行より才能を重んじる「求賢令」―曹操;「姦雄」は粋な計らいを得手にした―曹操 ほか)
蜀の章(乱戦の最中に忘れぬ名演技―劉備;荊州は蜀が借りたか、呉が貸したのか―劉備・孫権 ほか)
呉の章(お人善しをころり瞞した面憎さ―孫権・司馬懿;他国の元号だろうと使ってしまえ―孫権・(付)後漢と晋の元号 ほか)
後漢の章(連発する地震で揺れる後漢諸帝―安帝・順帝・桓帝・霊帝・献帝;流行が未来の凶事を予告する―梁冀・孫寿夫妻 ほか)
付録 江戸川柳で活躍する『三国志』―主役はやはり劉備主従
著者等紹介
坂口和澄[サカグチワズミ]
1934年、東京市下谷区上根岸町生まれ。1956年、早稲田大学第一政治経済学部新聞学科卒業。レコード会社勤務後、1964年フリーとなる。『歴史と旅』(秋田書店)、『歴史群像』(学習研究社)で『三国志』武将伝を多数執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あんどうれおん
1
さまざまな資料を読み解き、三国志の現実的でない部分や正史に記録されなかった出来事を明らかにする意欲作。支配者への忖度や役人の保身によって実際よりも魅力的なものになった事績の裏側が、そのように記録された経緯と共に指摘されていて痛快です。手品の種明かしみたいに幻想を壊す書物でもあるかな、と感じました。2020/11/02
唯菜望
1
最低限、演義・正史の概要を知った上で読むとおもしろい。また、諸葛亮没後の話題も大目。著者の好き嫌いがはっきりしすぎているのが珠に傷。2009/10/01
ユキ@うろちょろ
1
後漢〜晋初の人物を、それぞれテーマを設けて取り上げる。内容が整理されるので分かりやすい。マイナーな話も多い。巻末に江戸の三国志川柳。2009/03/23
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