内容説明
総帥・岳不羣より、一年間の謹慎を命じられていた令狐冲は、ある日偶然、正・邪両派を結ぶ珠玉の曲譜「笑傲江湖」を手に入れる。また、華山派の隠士・風清揚の知遇を得て、天下最強の剣術「独孤九剣」を授けられ、一躍武林の名手となるが…。
著者等紹介
金庸[キンヨウ]
1924年、浙江省海寧県生まれ。1955年「書剣恩仇録」を発表。圧倒的支持を得、全十二部の長篇武侠小説を創作。中国、香港、台湾を始め中華世界に十二億人の読者を持つ超人気作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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緋莢
25
1巻解説で「正義面した悪人」と書かれていますが、1巻終盤のあの惨劇は正にその通りで、そういう輩が多数登場してきます。それに翻弄されるのが主人公の令狐冲で、自身が所属する華山派をはじめとして、「正派」に属する人とは何かと因縁が出来てしまい、逆に邪派の筆頭「魔教」に関わりのある人と、親交が深くなるという。華山派の伝説的な人物・風清揚から「独孤九剣」を教えられ、強さを得た令狐冲ですが、まだまだ困難が待ち構えています。 2018/09/11
ken_sakura
22
とても面白い♪( ´▽`)主人公は華山派令孤冲(れいこちゅう)、口八丁で酒好きなジョセフ・ジョースターを思わせる。魔教の曲洋、衡山派劉正風から秘曲「笑傲江湖」の曲譜を、林震南林夫人から「辟邪剣譜」の剣譜の在処を託される。師匠岳不羣(がくふぐん)に命じられた謹慎の地で華山派邪道の隠士風清揚に「独孤九剣」を授けられる。人物が魅力的。田伯光(悪い子なジョセフ・ジョースター)、美少女尼義琳の父で生臭な坊主不戒。内力を使えなくなった令孤冲の危難も読まされる。令孤冲、岳霊珊、林平之の三角関係の行方も気になる(^_^)2018/09/08
ゆめじ
14
技がない故に、誰も技を破ることができない。強すぎて生涯敗北を求めた武人である独孤求敗が編み出した無敵の剣法、独孤九剣。男の子ってこういうのが好きなんでしょと言わんばかりの剣法、はい100点。そして2巻の令狐冲は(独孤九剣を授かるまで)相変わらず負けまくり、桃谷六仙によって体内の気を乱され内功も使えない状態に。恋慕していた霊珊にも心変わりをされ、令狐冲は身体も心もボロボロだ。唯一残った武芸のみで彼はどうなるのか、今後どんな展開が待ち受けているのか、実に楽しみである。 2020/08/31
サケ太
10
令狐冲を襲う理不尽と危機の数々は続く。強敵は多く、江湖の底は知れない。不可思議な莫大先生。受け継がれた想い。「秘曲 笑傲江湖」。師岳不群の言葉に背き、己の矜持と家族たちを守るため、風清揚の元で剣術を、「独孤九剣」を修める。強敵、「万里独行」田伯光が段々と好きになってくる。嵩山派の魔の手。華山派かつての因縁。示す修行の成果。しかし、迫る不穏な気配。壊れ始める人間関係。面白い、先が気になる。2016/07/30
本とフルート
3
急展開が止まらない。剣が閃くように鮮やかに、次々と個性的な人々が登場する。令狐冲と田伯光の朋友の契りにどきどきした。令狐冲の義侠心はまさに武侠小説の主人公たるにふさわしい。江湖の行方からもう目が離せない。2021/11/17