内容説明
純朴な青年・狄雲は、師伯の誕生祝いに赴いた際、ある陰謀によって師匠を殺され、その濡れ衣を着せられ、恋人を奪われ、死刑囚牢に繋がれる。地獄のような牢内で武術の名手・丁典と知り合い、二人で脱獄を図るが…。金庸版「岩窟王」登場。
著者等紹介
金庸[キンヨウ]
1924年、浙江省海寧県生まれ。1955年「書剣恩仇録」を発表。圧倒的支持を得、全十二部の長篇武侠小説を創作。中国、香港、台湾を始め中華世界に十二億人の読者を持つ超人気作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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オイコラ
4
獄中で無敵の技を−−−と思ったら半端なうちに丁典は死んじゃうし、そもそも狄雲は武芸者としては再起不能にされたみたいだし。ひたすら悪い方へ転がって、とうとう残忍な門派の弟子であるかのように大声で宣言されて実際そこへついて行くしかなく。前半、間の悪さ運の悪さにイライラするくらいだったけど、もうギャグの域かと。しかしこれどうやって挽回するんだろう。2015/09/06
AR読書記録
2
そういえば一時すっごい売れてたなー(あるいは宣伝されてたなー)と思いながら,とりあえず一番巻数の少ないこちらで金庸初体験.と思ったら,あの,武侠小説っていうけど,主人公が上巻の半分もいかないうちに武人として再起不能になっちゃってるんですけど... そしてあとは怒濤のごとくひたすら痛めつけられ流され続けてる... 連城訣の秘密なんかいまんとこ非常にどうでもよい感じではないですか.下巻でいったいどうなるのか.なんとなく柴練を連想したけれど,残虐描写は中国にはるかに軍配.主人公が煮て食われそうになるて...2012/02/21
渡辺
2
たしかに悲惨な話なのだが、丁典が死んで以降の展開(特に宝象のくだり)がどうにもコミカルで、比較対象として妥当かはともかく、町田康の「けものがれ、俺らの猿と」あたりのノリと近しいものを個人的に感じた次第。なんだこの感想。2011/05/19
風祭史紀
1
金庸作品の主人公は善人なのに誤解されて面倒に巻き込まれるってパターンが多いけど、この作品の主人公・狄雲はその最たる悲惨さの主人公ではなかろうか。悲惨な上に肩甲骨を穿たれて武芸の能力も奪われて、この上巻の時点ではほとんど武芸で活躍するシーンもなく、ひたすら酷い目に遭い誤解されまくる。訳者あとがきに「下巻まで読めばすっきりしますよ」って書いてあるけど、そうフォローしとかないと読むのやめちゃいそうなくらい気の毒(´;ω;`) その分感情移入度は非常に高いので、ぜひ下巻では狄雲の大活躍と幸福な結末を期待したい……2020/01/07
こひた
1
実話がモデルなためか、人物の感情に鬼気迫るものがある。モンテ・クリスト伯を読み直したくなる。2013/06/29
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- 和書
- 集王羲之書般若心経