内容説明
ラオスに住む、人類最後ともいうべき裸族十九人が一挙に誘拐された。一緒に消えた助手・別所夕子救出のために奥地に向かった民族学者・大門京介の前に立ちふさがったのは、今も続く大国のエゴと、少数民族弾圧の銃弾だった。書下し冒険巨篇。
著者等紹介
内山安雄[ウチヤマヤスオ]
1951年北海道生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yamakujira
6
民族学者として現地に溶けこむ大門の留守を狙って、ラオス奥地に住む部族全員が誘拐された。一緒にに誘拐された助手の夕子を救出するために、ゲリラの手を借りて犯人を追う。文明機器と接して徐々に変質していく裸族の生活、アメリカに見捨てられて圧迫される少数民族の苦悩、外国企業の利権に狂わされる国の正義、事件の背景がしっかりと設定されていておもしろかった。尋問や戦闘で敵味方の区別なくどんどん人が死んでいき、ラストも安っぽく感じるけれど、そんな命の軽さがこの国の現在を表しているようで切なくなる。 (★★★☆☆)2017/04/16