内容説明
清代、乾隆帝の治世。滅満興漢を掲げる秘密結社・紅花会の総帥、于万亭は、臨終の床で養子の陳家洛を後継者に任命する。無塵道人以下、十三名の幹部たちは、ただちに新当主のもと、安西に集結する。ところがその途中、于万亭の遺言から皇帝の重大な秘密を握った猛者・文泰来は、朝廷が放った遣い手に深手を負わされ、土地の豪族・周仲英の屋敷に匿われるが…。中国の国民作家、金庸の記念すべき処女作。
著者等紹介
金庸[キンヨウ]
1924年、浙江省海寧県生まれ。1955年「書剣恩仇録」を発表。圧倒的支持を得、全12部の長編武侠小説を創作。中国・香港・台湾を始め中華世界に12億人の読者を持つ超人気作家
岡崎由美[オカザキユミ]
1958年、香川県生まれ、早稲田大学文学部教授
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感想・レビュー
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緋莢
18
藤野恵美の『紫鳳伝』シリーズを読んで、久々に武侠小説が読みたくなり、手に取りました。金庸のデビュー作で、日本で初めて翻訳された作品でもあります。舞台は清王朝、乾隆帝の治世。滅満興漢を掲げる秘密結社・紅花会は二代目の総帥として陳家洛を迎え、朝廷に捕らわれた四番差配・文泰来救出へ動きます。そこにコーランを奪われた回族も絡んできます。紅花会の強者たち、〝追魂奪命剣”無塵道人、〝千手如来”趙半山などのそれぞれの異名と名前もグッときますし、戦闘描写も素晴らしいです(続く2018/08/12
蛇の婿
4
こういう、血沸き肉踊る小説は読んでいてほんとうに楽しいのです。BGMは格闘ゲームの中国ステージ、脳内でカンフー映画独特の、あの一打一蹴ごとに『ボッ!ボボッ!』と鳴る風切り音を補完しつつ、登場する人物の飛び上がる姿や吹っ飛ばされる姿は当然ワイヤーワーク、必殺技が決まるときは脳内再生にスローモーションを採用。…こうやってただひたすらに群雄譚をがしがし読むのが武侠小説の正しい楽しみ方なのでしょう。いや、原哲夫先生とかこの話コミカライズしたらいいのにww2012/06/07
かしこ
3
初めて金庸先生の武林ものを読みました。登場人物が多血質。通りすがりの人で武道ができそうで気になる人物だったら速攻でちょっかいを掛ける。悪口を言う、馬の毛をむしる、小学5年生か男子?っていうくらい簡単に喧嘩が始まる。女子も武道ができるのが基本、お転婆な子ばかり。男を相手に喧嘩をふっかける。キャラが新鮮です。この秘密結社もの、どうなっていくんだ。2024/07/30
xiaoxue
2
金庸の武侠小説。金庸の作品を知ったきっかけは射雕英雄伝(2002年版)のドラマから。書剣恩仇録も2008年版のドラマがきっかけで読み始めました。多種多様な人物が入り乱れ読むのが大変ですが、ストーリーのテンポが速くあっという間に読み終わってしまいました。続きが楽しみです。2015/03/24
サマンサ
1
刊行された当時のワクワク感再び!もう20年も経ったのか。 解説には『金庸は歴史と虚構を巧みに織り混ぜる』と書いてあるがその通り。歴史エンターテイメント。ただ、たてつづけに読むと飽きる。。。この時代の服はどんなんだろう?とりあえず貴公子陳家洛が真っ白な上着の長い裾を華麗に捌く姿を想像しながらトキめいておこう(笑)2016/06/19