内容説明
保険調査員・江面直美は青森に出張の帰り、吹雪に遭い小さな町に入り込む。そこでは「六色金神祭」が行われていた。中央からタレントまで呼んだ大規模な祭だが、町は電話も不通、交通も遮断された完全な陸の孤島。そこで次々と起こる不可解な殺人事件―。宇宙開闢から大和朝廷の成立までの歴史をつづったという六色金神伝紀によれば、ここ津本は宇宙の中心であったという。異色伝奇ミステリー、書下し。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
usarlock
23
雪によって外界から断たれた村で起こる六色金神伝記になぞらえた凄惨な連続殺人に保険調査官の江面直美が巻き込まれる。このミステリの立ち位置的なものは有名だと思うが、そういう前情報無しで読みたい作品だったかな。結構な序盤でオチが想像できてしまう。ただ、そのオチからの最後の大詰めがきちんと作られていて感心しました。あと、自分の読解力が低いせいだろうけど、所々で誰が喋っているのかわからなくなって混乱したw2014/08/01
ステビア
19
怪作。詰め込まれてて頭が混乱する!ものすごい剛速球で腕ごと持ってかれるような作品だ。漫然と読んでしまったのであまりスッキリしなかった(笑)2014/06/22
きのピ子
18
ちょっと想像してた作風と違ったな。私の個人的なバカミスの定義とかけ離れていたせいかな。とにかく漢字だらけの名前を覚えるのが大変で、解決編を読んでもイマいちピンと来なかった。それなりに面白かったですが。2014/08/05
やまだん
14
「ゲッペルスの贈り物」で藤岡真の存在を知り,伝説的バカミスということで読みたいと思っていた本をついに読破。思ったほど「バカミス」ではなかった。六色金神歌に沿って発生する見立て殺人。合理的な解決などできないと思わせる連続殺人事件をそれなりにまとめている。あとから読み返すとあからさまな伏線がはられており,「よく考えられているな」と感心してしまった。藤岡真らしいつめこみっぷり。文章も読みにくい。登場人物も藤岡真作品らしい適度なアホさと,読む人を選ぶ作品。個人的には,結構楽しんで読むことができた(65点)。2018/08/28
Brooklyn0320
8
バカミスとして名高い作品で、結構探しました。宇宙開闢から大和朝廷の成立までの歴史を綴ったトンデモ古代文書に見立てた殺人が立て続けに起こります。しかもどう考えても人間業とは思えない殺害方法で…。読み進んで残り頁が減っても、事件の風呂敷がどんどん拡がっていくだけで解決の気配がしません。「どう纏めるの?」って不安に思っていたら、なかなか力業のオチで纏めてきました。ただし、そこに至る伏線や小道具は十分用意されているので、アンフェアとは言えないかなとも思います。若干文章が読みづらい方が気になりました。2013/02/18