内容説明
遺伝子組み換え稲の作付けシェア拡大を狙う巨大資本・ローゼント化学と有機電子農法に改良を加えた新システム普及会との対立が深まりつつあった。そんな中、普及指導員・室沢晋作の胃に新種の悪性腫瘍が発見された。一方、ローゼント化学東京支店次長・深山史子の父親の痴呆が進行し、奇しくも同じ病院で、細胞矯正療法をうけることになったのだ…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
APIRU
6
遺伝子組み換え食品vs有機農法。二十年以上前の小説なので、技術にせよ倫理観にせよ現代とはそれなりに違っているのでしょうが、この当時はこうだったのかなって感じです。遺伝子操作について食糧・医療の観点から問題提起し、それを一篇のバイオサスペンス小説として面白く読めるように仕上げられています。遺伝子組み換え食品を悪と定めて、それを作っている会社を悪の巣窟・極悪企業として描写していますが、こんなに悪者に描かなくてもって感じです。最後は人間vsイナゴの大群。全体とおして、「遺伝子操作は天に背く所業」的な展開でした。2022/03/08
samandabadra
0
設定に都合がよいところがあるようにも思えるが、近未来的にはあり得る設定。得てして現実が小説を越えることがあると思うが、遺伝子組み換えが一般化する未来は見たくないな。2017/03/06