内容説明
「1988年10月、私のそばにいた丁教官が日本人女性教官の一人を指しながら、『あの髪の短い女性が私が連れてきた娘だ。北朝鮮に連れてきてからもう10年になる』と言った」。北朝鮮最高のスパイ養成所で苛酷な訓練に明け暮れた著者・安明進は、拉致されてきたという日本人たちをそこで目撃し、言葉を交わした。冷酷無比の「人間凶器」を作り出す極秘機関の奥で一体何が起きていたのか?恐怖の実態を明かす衝撃手記。
目次
プロローグ 軍事境界線を越えて
第1部 特殊工作員の運命(「存在しない人間」;北朝鮮の暗部「朝鮮労働党三号庁舎」;金賢姫先輩の残したもの ほか)
第2部 日本人はこうして拉致された(えくぼの可愛らしい日本人少女;タバコを分けてくれた日本人男性;オートバイで配達中に拉致された北海道の男性 ほか)
第3部 金正日の「野望」(麻薬製造工場と外貨稼ぎ;巨大な偽造紙幣製作所「四一四連絡所」;六つのスパイ基地 ほか)