内容説明
「あ、あなたは…」千秋は凍りついた。本州の最北、青森で新婚生活に浸る千秋を訪れた男は、秘した彼女の過去から来た。その夜、無惨な千秋の姿が夫によって発見された。同夜、岩手でやはり殺人事件があった。被害者はトラック運転手である。二つの事件は偶然か、それとも?運行記録計に残された小停車の謎、そして、新妻の秘匿された忌まわしい過去とは―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マッピー
3
同じ夜に青森と岩手で起きた殺人事件。ひとつは青森に、もうひとつは広域事件として捜査本部は岩手に置かれたため、別々の事件として捜査されたのだが…。奇をてらわず、捜査員がこつこつと足で事件を解決していく。騙されないぞ、身構えることなく素直に読書に耽溺できる。それがなかなか読んでいて心地よい。どちらの事件も、犯人と思しき人物を状況証拠だけで追い詰める難しさがリアルで、何度も何度も決定的証拠のありかを探す息苦しさがまたリアル。ただ…最後の章はどうだろう?この章がなくても、事件としては成り立つと思うんだけどなあ。2017/07/28
prophet-5
1
無関係と思われる事件が並行して描かれ、最後に繋がっていく展開は森村誠一の得意とするところ...最後の数行で作品のタイトルの意味が語られる締めかたはよかった...でも、森村作品のラストはシニカルである...2013/09/05
gumra
0
なんとも救い難いおはなし⤵️ 2019/03/01