内容説明
京葉電鉄の川本千秋社長に不動産ブローカー藤田寅太郎から千葉県浦安沖の埋立の話が持ち込まれた。川本にはデージーランドの日本誘致という夢があった。川本は松阪不動産の井戸英俊らに働きかけて、埋立事業に乗り出す。が、藤田の浦安漁民にたいする交渉が暗礁に乗り上げた。しかも松阪不動産の内部でも壷田社長は成功のおぼつかないデージーランドの誘致には一貫して反対している…。人間の欲望狂騒記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まつうら
47
東京ディズニーランド開発にかかわる作品と聞いて手に取った。子供だけでなく大人も楽しめるテーマパークのコンセプトや、キャストの接客ノウハウは本家から輸入しているが、それらをどうやって日本流にアレンジして現在のような発展を遂げたのか? そういうレジャー産業ならではのサクセスストーリーを期待したが、見事に裏切られた。この作品は、不動産にまつわる利権争いと策謀の物語だ。たしかに舞浜は何もなかったところに土地ができて、巨大なレジャー施設を建設する計画なのだから地価が高騰するのは当たり前。魑魅魍魎が跳梁跋扈。。。2023/05/06
Walhalla
3
千葉県浦安市にある某有名テーマパーク(本書では東京デージーランド)の誕生にまつわるお話です。埋め立てから誘致まで、地元漁民・県・電鉄会社・不動産会社・ブローカーなどの様々な利権が交錯するなか、テーマパーク建設にかける主人公の熱い情熱に引き込まれます。あと、本作品とは無関係ですが、松岡圭祐さんの「ミッキーマウスの憂鬱」も合わせて読むと、尚良しですね。2015/09/24