内容説明
不世出の実業家、根津嘉一郎。県会議員時代に同郷甲州政財界の重鎮、若尾逸平から示唆された言葉「株をやるならば、これからは『乗りもの』か『明かり』だ」が彼の関心を実業界へと向けさせた。倒産寸前の東武鉄道再建に乗り出し、強気の経営哲学のもと消極派を押し切って成功に導く。数多くの企業に関わりながら一族経営を排し、利益の社会還元を忘れなかった嘉一郎の波乱の生涯を辿る。書下し評伝小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひねもすのたり
14
先日、根津美術館に行きました。 そこで疑問に思ったのは根津嘉一郎って何者??ということです。 東武鉄道の関係者だということはわかりましたが、館内にプロフィールらしきものがなかったので本書を手に取りました。 私は根津嘉一郎その人より、根津が関わることになる明治期の企業。 そしてそれらが現代においてどのような姿になっているのか?という点を楽しみました。 吾妻橋(浅草)のたもとに立つと手前にアサヒビール本社、奥にスカイツリーが見えますが、その風景もちょっと違うものに見えるような気がします。★3 2015/11/15
rbyawa
1
c020、読みやすいわりには俗っぽくなりすぎず、というかどうももともとの題材の人が大概無茶だと思うんですが(財閥複数に譲歩迫られて逆に脅したw)、若干の知識があるくらいで大丈夫なんじゃないですかね。東武鉄道に関わったことで知られてると思いますが、ざっくり言って特にそちら系の描写はないですかも。気付いたらどこかの建て直しに参加してるか対抗意識で持ったビール会社に手を焼いているか、正しいこと押し通そうとして喧嘩してるか。しかし潰れかけた会社に構うのは趣味でしょうか、何回銀行泣かせましたか全部建て直したけどww2012/03/11