目次
第1部 ナポレオン戦争とその敗者フランスの戦後(ナポレオン戦争の新しさ;戦後処理の貴族的伝統;正統性の不在;墜落の開始―一九世紀)
第2部 第一次世界大戦とその敗者ドイツの戦後(大衆の欲した戦争;国家総力戦の破局;史上最悪の戦後?;ワイマール版・戦後の克服)
第3部 大東亜戦争とその敗者日本の戦後(正戦論の陥穽;日本の近代戦争の本質;共存か対決か;真珠湾とポツダムの間;第三の戦後―思想改造)
感想・レビュー
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ヴェルナーの日記
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日本の戦後(第2次世界大戦)とフランスの戦後(ナポレオンの百日戦争)を比較し、共通項を見出すという興味深いテーマの一冊。ただ結論がいただけない。フランスは未曾有な大混乱をきたして国内だけに止まらず、西洋世界に拡大し王権制を弱体させ、結果、民主主義が台頭した。そして日本の戦後は、西洋列強の植民地制度を揺るがし、アジア、アフリカ等の植民地が独立を果たすきっかけを創ったという論旨で、故に日本は負けると分かっていながらも戦争に突入したと論じている。ヘミングウェイが曰く『いかなる理由があろうとも戦争は悪である』だ。2015/12/03