内容説明
僕は文化人類学者でもなく、政治や経済を評論するタイプでもない。ただのアジア好きの旅行者だ―そう語る著者はリュックを背負い、安宿を泊り歩く。バスを乗り継いで街から街へ。灯ともし頃には屋台にもぐりこみ、安酒を呷っては料理をつつく。アジアを漂い流れて二十年、さすらいのトラベルライター下川裕治が見たアジアの実相。湯気の向うにアジアが見える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
高木正雄
4
いまから30年前ぐらいのアジアの雰囲気がなんとなくわかる。最後の「アジアよ、お前もか」というのは現在進行中で日本人にとっては昔の方が良かったのだろう。ようは東南アジアが日本に近くなり追い越そうとしているのである。この人の体験談で、ベトナムかどこかの夜行バスを降りて入ったレストランで他の人の料理を取り分けた話があったが、それはもうちょっと後のことだっただろうか。そして機内食をお代わりできるとは知らなかった。若いときは元気だね2025/01/16
岡本匠
4
20年前の本。おそらく今となっては時代も状況も変わり、中々重版はできないのかもしれない。アジアの各地を、ホテル、バス、鍋、酒、屋台、駅弁などで切り取った本。ここまで旅をする人はいないのだから、この時点のアジアを知るのには大事な本の一つではあるのだろう。2017/03/26
HIRO1970
2
☆☆☆肩肘張らないユル~イ感じがたまらない・・・。下川さんらしさですね。2013/01/30
ちゃんお兄
2
昔の中国を詳しく書いてある。2011/09/12
クジラ
2
旅行記だと思っていたら、下川氏がこれまで旅したアジアの蘊蓄を書いたエッセイだった。予想した内容とは違ったが、以前に読んだ下川氏の旅行記よりもこちらの方が面白い。15年近く前のアジアについてだが、それぞれの国の雰囲気が伝わってきて疑似旅行に行った気分。この本に描かれている国の中では、中国が一番変化しているんだろうな。2010/10/27