内容説明
京都・桃山で起った殺人事件の被害者は石脇律子、四十七歳。府警・江夏冬子の検死によって、全身を十六ヵ所刺され、失血死したことが判明し、捜査線上に四人の容疑者が浮かび上った。腹違いの弟、姪、元恋人の二人の男…。いずれも律子の父親の遺産をめぐって動機を持っていたのだ。冬子は、夏にもかかわらず、遺体にかけられていた三枚ものかけぶとんに着目するが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
事務所ひとり
5
実は初山村作品なんですよねぇ。2時間ドラマではよく観るんですけども本は始めてでした。短編でサクッと読めて良かったし、主人公が、被害者や加害者の気持ちを思って、思わず泣いてしまう…という場面は、検視官でありエリート警視であるのに、人情味あって意外に良かった。2011/06/29
moon
1
なかなか楽しめた。短編もよいが、死にすぎかな。寒がりの死体の意味はなかなかのセンス。2023/06/19
そーだ
1
山村作品には珍しく、キャサリンシリーズの浜口や、葬儀屋探偵シリーズの黒澤のような主人公の恋人ポジションの人物がいない。それと、主人公が狩矢・橋口コンビの同僚というのも新鮮。もし京都で罪を犯したら、これらの名探偵が一斉に動き出す様を想像してそら恐ろしくなった。絶対に捕まるだろうなあ。2016/10/16
千木良
0
巻末の著書リストによると平成9年4月15日現在148冊で、今作は137冊目。