内容説明
慶応元年伊万里に産声をあげ、陶器問屋を営む伯父の下で、幼いころから学問と商人の道をたたき込まれた森永太一郎。コンニャクの行商からはじまり、幾多の艱難辛苦を乗り越えてきた二十三歳の年、ある事情から九谷焼を携え渡米することになった。唯一残ったのは借金であったが、彼の目の前に現れた女性が差し出した、たったひと欠片のキャンデーが彼の人生を大きく変えていくことになった。書下し起業家伝。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツオ
2
高校の近くに、「森永太一郎翁の墓」(たしか墓だったと思う)というものがあって、初めはそれが森永製菓の創業者であることを知らなかった。その森永製菓の創業者・太一郎は幼いころに父親と死別し、母親とも生き別れになり独りとなった。その後陶器を売りに渡ったアメリカで洋菓子の魅力にひかれ、12年にわたり洋菓子の修業を詰み、洋菓子製造所を興した。この「菓商」は実名小説で、太一郎のアメリカでの修業時代、創業以降の成功と苦難、人生そのものが描かれている。2012/06/15
山口 健俊
1
森永製菓の創始者の話。 業績などの苦労話も面白いが、経営者としての心の在り様、商道徳が心に沁みます。 商道徳と言ったら、渋沢栄一が有名ですが、実務家として、少し違った形での道徳により親近感を抱きます。 1日で読める量ですし、とてもオススメです。 2017/11/10
ホリエンテス
1
太一郎の苦労話から成功まで。その苦労の上で今があるのだ。