内容説明
1992年夏。兼成謙一はデートを楽しんでいた。偶然通りかかった地下道で、彼の目が止まった。壁に寄り沿うように延々と続くダンボールの群れ。路上生活者の家だった。「僕もここに住もうかナ」酔いにまかせた冗談めいた言葉。しかし、超有名企業に勤めていた独身貴族は、この日からわずか二年後、ダンボールの群れの一員となった。彼らはなぜ路上で暮らさねばならなかったのか。密着取材による衝撃の書下しルポ。
目次
1 企業戦士の落日
2 女装の男
3 「支援」する人々
4 地下道の正月
5 ダンボール村の文化人たち
6 怠け者
7 夏祭り
8 宴のあと