内容説明
いま、アジアには熱い風が吹いている。貧因と飢餓、伝染病、民族対立、宗教戦争、民主化闘争と弾圧、そして開放経済。超大国の動向に隠されてきた、アジアの民衆の息吹きが、歴史を刻みはじめた。だからアジアは旅の原点なのだ。パッケージツアーでなく、ひたすら格安航空券を求め、必需品は現地調達主義だ。フレームザック一つ、人と出会い、街に触れ、民族を感じる。二十年にわたるアジアの旅の集大成。
目次
第1章 アジアに旅に出る
第2章 アジアの暮らし
第3章 アジアを飲む
第4章 旅遊快楽。万事如意
第5章 アジア新事情
エピローグ 年の瀬に届いた年賀状
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
333
下川裕治のアジア紀行。旅のスタイルは、いつものように典型的なバックパッカー。今回もアジア各地を旅するのだが、旅そのものを語るよりも、思索的な内容のものが多い。例えば、タイから(当時は閉鎖されていた)ビルマ国境を越えてチェントンに行くのだが、そこでの平和で牧歌的な風景は今も健在だろうか。あるいは、素朴な田舎の風情を湛えていたビエンチャンはどうなっただろう。読者である私たちもまた、下川氏とともにそうした町や国々の行く末を案じるのである。彼も私たちも、それで何ができるというわけでもないのだが。 2019/07/21
Hong Kong
9
先日お尋ねした、Eさんに、昔本棚からお借りして、下川さんの本たくさん読ませていただきました。とお話するも、あまり覚えていらっしゃらなかった。バンコクを含むアジア、随分変わったんでしょうね。行きたいなあ。2004/03/29
たーくん
5
アジアは日本が考えているより進んでいるかも。2010/11/06
高木正雄
4
下川さんが指摘しているようにアジアのなかで日本が独り勝ちの時代は終わり、どんどん追い抜かれている。確かにアジアの流儀をもっと学んだほうがいいかもしれない。東南アジアの野菜についての話が興味深かった2025/04/05
NAO
1
自分がアジアを巡っていたころの作品。今では街の様子も変わってしまったラオスで読んだ。ロヒンギャ族に関する記述があり、現在へのつながりがわかった。2018/01/03