出版社内容情報
冬の王さまは、誕生日にとくべつなパーティーを開こうと、
きょうだいを招くことにしました。
子どものころからずっと会っていない、
春の女王、夏の王、秋の女王です。
太陽も、風も、そんなことをしてはいけない、といいましたが、
冬の王は耳をかしません。
とうとうきょうだいたちが、冬の宮殿にやってきました。
みんなでごちそうを食べたり、ゲームをして、楽しい時をすごします。
けれども宮殿の外では、たいへんなことがおこっていました。
夏の太陽がてっているのに、秋の雨がふりしきり、雪が舞い、
春の花が開こうとします。
田畑には穂がみのらず、動物たちもいつ冬眠したらいいかわからず、
おかしなことになってしまいました。
すべては、4つの季節が同じ場所に集まったせいなのです。
「このままではいけない」
きょうだいたちは、みな、じぶんたちの宮殿へ帰っていきました。
こうして、ふたたび季節はもとにもどったのでした。
異常気象への警鐘ともいえるこの絵本は、
85年前に、27歳で亡くなったユダヤ系ドイツ人作家、
ウルリッヒ・アレクサンダー・ボシュヴィッツが遺した物語がベース。
ピュリッツァー賞受賞作家ジョナサン・フリードマンが紡ぎなおし、
英国の人気絵本作家エミリー・サットンと共に美しい絵本にしました。
【目次】