出版社内容情報
世界経済や軍事力における中国の急進的な台頭は、相対的にアメリカの国力を減じさせた。もはや日本が「アメリカまかせ」で進む時代は終焉を迎えつつあると考えていい。
本書は、外交官としてアメリカ、中国などの大使館に勤務し、2000年に衆議院議員として初当選してからは、外務副大臣、環境大臣を歴任してきた国際政治学博士でもある著者が、今後の日本の取るべき国家戦略について考察したものだ。著者は、日本の新戦略とも言える大戦略(グランド・ストラテジー)を、今こそ打ち出し、反転攻勢をかける時だと訴える。さらに、経済における反転攻勢としてイノベーションこそが重要であるとし、イノベーションにとりかかる人材の育成や資金的バックアップも含めた画期的な戦略を提案する。
著者は言う。「日本が自ら世界秩序をつくる位の気概を持って、アジア・太平洋のネットワーク構築と民主化推進により平和と繁栄をつくっていこうというのが私の国家像です」
【本書の主な内容】
第1部 反転攻勢の経済戦略
~イノベーションが市場資本主義を支え、民主主義を強化する~
国家戦略としてのイノベーション
イノベーションは民主主義にも連動
これからの経済政策の柱としてのイノベーション投資
国民に職場を創造するイノベーション投資を
「国家戦略省」の下に「イノベーション庁」と「国立科学技術研究所」の設置
「イノベーション国債」という山口構想
第2部 反転攻勢の世界戦略
~「ピースメーカー」という王道~
第一節 日米同盟のキーワード
第二節 「パックス・アメリカーナ」の揺らぎ
第三節 世界秩序を揺るがす米中対立
米中対立の激化
中国に対する民主化政策は失敗か
中国の産業戦略と通貨戦略
中国はアメリカの「虎の尾」を踏んでしまったのか
新しい世界秩序において中国とどう向き合うか
中国の民主化は不可能か
台湾侵攻の高過ぎる代価
日中間のコミュニケーション・ギャップを防止
靖国神社について
第四節 自ら平和をつくる「ピースメーカー」路線
覇道の西洋から王道の東洋へ
「軍事戦略」と共に「平和戦略」
「アジア太平洋協定」構想
「北東アジア連携」という山口構想
北朝鮮問題の解決に向けて
国連安保理改革についての山口私案
アジア・太平洋において「不戦のメカニズム」を
内容説明
日本に必要な反転攻勢の国家戦略はこれだ!自ら世界の繁栄と平和の秩序をつくる「ピースメーカー」という王道こそ日本の進むべき道。
目次
第1部 反転攻勢の経済戦略―イノベーションが市場資本主義を支え、民主主義を強化する(国家戦略としてのイノベーション;イノベーションは民主主義にも連動;これからの経済政策の柱としてのイノベーション投資;国民に職場を創造するイノベーション投資を;「国家戦略省」の下に「イノベーション庁」と「国立科学技術研究所」の設置 ほか)
第2部 反転攻勢の世界戦略―「ピースメーカー」という王道(日米同盟のキーワード―対日防衛コミットメント;「パックス・アメリカーナ」の揺らぎ―9・11の衝撃;世界秩序を揺るがす米中対立―「民主主義」対「権威主義」;自ら平和をつくる「ピースメーカー」路線へ)
著者等紹介
山口壯[ヤマグチツヨシ]
東京大学法学部卒業後、1979年外務省入省。本省勤務に加え、防衛庁(当時)出向。外交官として、在アメリカ、在中国、在パキスタン、在イギリス大使館に勤務。ジョンズ・ホプキンス大学SAISにて博士号取得(国際政治学博士)。1995年外務省退官。翌年兵庫12区より衆議院議員総選挙へ立候補。2000年初当選。外務副大臣、内閣府副大臣(国家戦略・地域主権・地域活性化・復興担当)、環境大臣、内閣府特命担当大臣(原子力防災)を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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