出版社内容情報
ペトロダラーに対するペトロ人民元の挑戦が始まった
ウクライナ戦争によって揺らぎ始めた世界通貨システムをめぐる暗闘の内幕
習近平主席のサウジアラビア電撃訪問が世界を驚かせた。会談のテーマが、石油の人民元決済だったからだ。ドル以外の通貨での石油決済は、アメリカのドル一極支配体制を脅かす政治的挑戦だ。
現状では、中国人民元はドルを裏付けとする通貨にすぎない。しかし、中国の一帯一路プロジェクトではすでに人民元とのスワップを実施している国が出てきている。またウクライナ戦争の結果、ロシアの石油決済はルーブルと人民元で取引されている。そこにデジタル人民元の決済がからんでくれば、ドルの覇権にとって重大な脅威となろう。
果たして人民元は国際決済通貨としてドルを駆逐するのか。あるいは住宅バブルでかろうじて支えてきた中国経済がついにバブル崩壊によって習近平体制は弱体化に向かうのか。米中は新冷戦に突入しているが、アメリカ、とりわけバイデン政権にとっては、中国は経済的利益の源泉でもあるという両義的な存在でもある。ドル・円・人民元の通貨戦争を通して世界経済の行方を展望する。
内容説明
ついにドル基軸通貨体制は終わるか?ウクライナ戦争によって揺らぎ始めた世界通貨システムをめぐる暗闘の内幕。ドルvs人民元戦争の勝敗を日本円が決める!
目次
プロローグ ペトロ人民元は実現するか
第1章 ペトロダラー崩壊から米通貨覇権の終わりが始まる
第2章 米中経済戦争で敗北するのはアメリカ
第3章 デジタル人民元は世界に通用するか
第4章 アメリカは中国をふとらせてから食べる
第5章 ウクライナ戦争もアメリカが仕掛けた
第6章 中国バブルは崩壊しているのになぜつぶれないのか
第7章 世界金融危機とは反対に日本経済は大復活する
エピローグ カネとモノの覇権争い本番へ
著者等紹介
宮崎正弘[ミヤザキマサヒロ]
昭和21年金沢生まれ。早稲田大学中退。作家、評論家。中国全土をくまなく踏査、中国経済の実態報告に定評があり、中国批判の先駆的著作の多くは中国語、韓国語に翻訳されている
田村秀男[タムラヒデオ]
産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員。昭和21年高知県生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、日本経済新聞社入社。ワシントン特派員、経済部次長・編集委員、米アジア財団(サンフランシスコ)上級フェロー、香港支局長、東京本社編集委員、日本経済研究センター欧米研究会座長(兼任)などを経て2006年産経新聞社に移籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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