出版社内容情報
日本の軟弱外交と違い、オーストラリアは、なぜ中国に強硬姿勢をとれるのか。オーストラリアの政治・外交・ビジネスを解き明かす
内容説明
中国圏駐在13年、在豪10年ジャーナリストの現地リポート。政治・経済・教育・文化まで中国の浸透工作に侵されていた豪州はどのように中国と対峙し、強圧をはねのけたのか。媚中派が巣くう日本の反撃法がここにある!
目次
第1章 中国に引きずり込んだスパイとサイバー攻撃
第2章 オーストラリアを買いまくれ
第3章 オーストラリアの軍事港をなぜ中国企業が管理するのか
第4章 オーストラリアの政治をカネで操る
第5章 なぜオーストラリアは日本の潜水艦を導入しなかったのか
第6章 泥沼にはまったオーストラリアの潜水艦事業
第7章 AUKUS(オーカス)の誕生
終章 日本の外交は変われるか
著者等紹介
西原哲也[ニシハラテツヤ]
1968年長野県須坂市生まれ。早稲田大学社会科学部卒。時事通信社外国経済部記者を経て、香港大学大学院アジア研究修士課程修了。共同通信グループNNAの香港華南版編集長、中国総合版編集長を経て、現在NNA豪州代表取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TAKA0726
12
今まさにロシアがウクライナを占拠し落とし所によっては次は北海道の侵略、さらに中国の沖縄侵攻もありうる中、中国依存度の高い豪州の対応が興味深い。中国が海外大手企業を買収し海外進出後に自国に持ち帰る「海亀戦略」の強かさ、関税撤廃の経済政策、南極の資源狙い、生き馬の目を抜く外交で日本首脳は行儀がいい、悪く言えば国家を背負っている責任感や緊迫感が欠如。海外各国からメンタルが弱く日本には強く出ることが効果的と舐められているのは官邸人材不足が起因。豪州の騙し合いの二枚舌外交、ドライな転身、意見の相違の声高な主張が必要2022/02/28
はやたろう
8
中国、豪州に長く駐在する筆者が、中豪の外交戦略、それぞれの思惑、駆け引きのしたたかさ分析。それに比べ日本外交の不甲斐なさ、弱腰の姿勢に落胆をにじませながらも、少しでも学んでなんとかしてくれと期待を込めている。中国の傍若無人ぶり、豪州の二枚舌、意味不明な外交など、興味深い。日本外交の奮起を望みたい。2022/11/30
乱読家 護る会支持!
4
戦わずして、その国をまるごと乗っ取っていくいわゆる中国三戦(世論戦、心理戦、法律戦)。西側諸国はその脅威に気づき、対中国の姿勢を強めている。AUKUS(オーカス)はその一つである。 一方で日本は、親中派の国会議員が自民党の中枢におり、対中国政策を邪魔し続けている。もちろん、有効な憲法改正がされないために、公明党へのコントロールも効かせている。 今の日本にとって必要なことは、「自衛権の行使」を明記した憲法改正と、スパイ防止法の制定である。 この二つが出来ない限り、西側諸国の連携には日本は深くは関われない。2022/04/18
しゃどーろーる
2
日独仏による潜水艦競争に勝った仏に対してもその後の契約破棄、からのAUKUS締結。豪のしたたかさがもたらした外交の激しさは日本には真似できないことだろうな。中国に対抗していかなくてはならない将来は、落ち目の日本という自覚から始めなくてはいけないとつくづく思う寂しこの頃です。2022/08/28
ジョルジョ
2
「目に見えぬ侵略」に続いて、この本も読んだ。中国による侵略に対して、モリソン現政権は、毅然と立ち向かっていて、日本との違いは明らか。岸田内閣では、媚中派が主要ポストについているので、毅然として対応は難しそう。この本の中で、潜水艦建造が、フランスに落札し、そして、過日、この契約を破棄した経緯が、よくわかり、興味深かった。日本国民も、いかににして国を守るかを現実的に考える時。2022/03/23