出版社内容情報
『底惚れ』は斬新な江戸ハードボイルド時代長編です!
女への思いにかられながら、はぐれ者だった男が、一途に自分を刺した女の行方を求める。女を捜す方便として、四六見世という最底辺の女郎屋を営みながら、女が現れるのを待つという仕儀を薦めてくれたのは、路地番の頭・銀次だった。ビジネス成功譚の側面と、女への思いを貫く純愛を縦線として、物語はうねり、意外な展開となる魅力的な時代長篇となっています。
主人公は、村の生活に染まれず、欠け落ちた江戸で、すでに四十を過ぎた。一季奉公のまま、江戸にも染まぬ男たちは当時、大勢居た。根岸にある小藩の屋敷で奉公中、ご老公のお手つき女中・芳の故郷への道連れを命ぜられる。…旅の途中、訳あって芳に刺されるが、一命を取りとりとめる。自分を殺したと思い込んで、行方の知れない芳を探すため、彼女が来る可能性のある江戸の場末・入江町で切見世の主となる。商売は繁盛し、厚綿の布団を貸す損料屋にも手を出し、成功した
芳への思いにかられながら、はぐれ者だった男の、ビジネス成功譚の側面と、女への思いを貫く純愛を縦線として、物語はうねり、意外な展開となる魅力的な時代長篇となっております。
内容説明
一季奉公を重ねて四十も過ぎた。己れを持て余していた男は、密かに想いを寄せていたお手つき女中・芳の二度と戻れぬ宿下がりの同行を命ぜられる。芳への理不尽な扱いに憤り、男は彼女に奉公先を見返す話を持ちかけた。初めての極楽を味わったその夜、芳は男を刺し、姿を消した。芳に刺されて死ねるのを喜ぶ男。しかし、意に反して男は一命をとりとめた。人を殺めていないことを芳に伝えるため、どん底の岡場所のどん底の女郎屋の主となって芳を探す。最底辺の切見世暮らしの男が、愛を力にして岡場所の顔に成り上がる!
著者等紹介
青山文平[アオヤマブンペイ]
1948年(昭和23)、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2011年(平成23)、『白樫の樹の下で』で松本清張賞を受賞。2015年、『鬼はもとより』で大藪春彦賞、2016年、『つまをめとらば』で直木賞を受賞。新しい時代小説の可能性を、どことんまで削ぎ落とし、余情に富んだ文体で表現している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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