一橋桐子(76)の犯罪日記

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 46判/ページ数 309p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784198651886
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「刑務所に入りたい!」
高齢者の切なる願いは、
人に迷惑をかけずに生きることだった。


<著者からのコメント>
テレビや雑誌で、
凄惨な事件や驚愕の出来事などを
見るのが苦手です。
しばらく、そのことばかり考えて
何も手につかなくなったり、
眠れなくなったりします。
そんな時は事件の当事者の、
いったいどこに分岐点があったのか、
どこでどうすれば事件に巻き込まれなかったのか
答えが出るまで考えてしまいます。
残念ながら、
答えが見つからないこともしばしばです。
桐子さんは小さな幸せから放り出されました。
彼女が事件に巻き込まれないように
一緒に考えてはくださいませんでしょうか。
共に、はらはらしてくださったら幸いです。


<担当からのコメント>
私も桐子さんと同じ、
「人に迷惑をかけないで生きていきたい」と
思っていました。でもこの本を読んで、
「迷惑をかけて生きていてもいいのかもしれない」
と考えが変わりました。
人に迷惑をかけてこそ、生きている証なのだと!
人とのつながりが疎遠になっている今この時代
だからこそ、読んでもらいたい作品です! 

<編集長からのコメント>
まだ41歳の私ですが、
76歳の桐子に激しく共感しました。
この老後は決して他人事じゃない――。

万引、偽札、闇金、詐欺、誘拐、殺人
どれが一番長く刑務所に入れるの?


老親の面倒を見てきてた桐子は、
気づけば結婚もせず、76歳になっていた。
両親をおくり、わずかな年金と清掃のパートで
細々と暮らしているが、貯金はない。
同居していた親友のトモは病気で
先に逝ってしまった。
唯一の家族であり親友だったのに……。
このままだと孤独死して人に迷惑をかけてしまう。

絶望を抱えながら過ごしていたある日、
テレビで驚きの映像が目に入る。
収容された高齢受刑者が、
刑務所で介護され?ている姿を。

これだ! 光明を見出した桐子は、
「長く刑務所に入っていられる犯罪」
を模索し始める。

第一章 万引
第二章 偽札
第三章 闇金
第四章 詐欺
第五章 誘拐
最終章 殺人

内容説明

万引、偽札、闇金、詐欺、誘拐、殺人。どれが一番長く刑務所に入れるの?老親の面倒を見てきた桐子は、気づけば結婚もせず、76歳になっていた。両親をおくり、わずかな年金と清掃のパートで細々と暮らしているが、貯金はない。同居していた親友のトモは病気で先に逝ってしまった。唯一の家族であり親友だったのに…。このままだと孤独死して人に迷惑をかけてしまう。絶望を抱えながら過ごしていたある日、テレビで驚きの映像が目に入る。収容された高齢受刑者が、刑務所で介護されている姿を。これだ!光明を見出した桐子は、「長く刑務所に入っていられる犯罪」を模索し始める。

著者等紹介

原田ひ香[ハラダヒカ]
1970年神奈川県生まれ。2006年「リトルプリンセス二号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞受賞。2007年「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

580
原田さんの見事な筆の力もあってぐいぐい読み進めることのできる物語には、書名や章題、そしてテーマから予想される重々しさではなく、極めて清々しい結末が用意されていました。人によっては出来過ぎと感じるかもしれないその結末。しかし、あなたの心の中には、楔をグサリと入れられたかのようにいつまでも桐子の姿が残り続けると思います。そう、決して他人事ではない自らの老いを物語に投影してしまう、この作品はそういったとても怖い側面も持ち合わせていると感じます。高齢化社会を生きるあなたに是非一読をお薦めしたい傑作だと思いました。2022/03/28

starbro

555
原田 ひ香は、新作中心に読んでいる作家です。本書は、著者の新境地でしょうか、下流老人犯罪スレスレ連作短編集の佳作でした。これからこういう思考をする下流老人が増殖するかも知れません。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000303.000016935.html2020/12/19

ウッディ

377
同居していた親友を亡くし、経済的にも苦しく、将来に不安を感じる76歳の桐子さんは、刑務所に入れば生活の不安から解放されると思い立つ。「人に迷惑をかけず、できるだけ長く刑務所に入れる」犯罪はないかと考えるあたりが、人が良く、真面目な桐子さんらしく、共感します。高齢化が進み、年金や財産が少ない孤独な老人の中には、刑務所の中にいる方が幸せと感じる人いてもおかしくない。けれど、まっとうな人生を歩んで来た人には、手を差し伸べる人がいる、そう信じさせてくれるハートウォーミングな物語でした。面白かったです。2021/06/12

旅するランナー

352
一橋桐子さん(76)が孤独感を抱え、罪を犯し刑務所に入る方が楽だと思うようになる。あまり期待しないように、人生に期待しないように生きよう。そんな思いの桐子さんに、万引·偽札·闇金·詐欺·誘拐·殺人への誘いがヒタヒタと近づいてくる。人生の裏道がジワジワと広がっているように感じて愕然としますけど、まだまだ世の中捨てたものじゃないと思わせる、素敵な道も残っているようだ。読後感がとても爽やかな、高齢者犯罪小説の秀作。2022/08/22

とろとろ

351
昨年10月に出版されたらしいが、今頃になって人づてに知り読む。わずかな年金と清掃のパートで細々と暮らす76歳の女性。最初に幾つかの不幸な事件が重なって日々の生活にも困るようになり刑務所に入ると楽かも…と考えるようになる。人に迷惑を掛けずに罪を犯して重罪になる罪として最後にお札偽造にたどり着くが、そもそもコピーする前に店員に止められてしまい事は上手くいかない。そうこうしているうちに、清掃のパート中に知り合ったたくさんの人達の「やさしさ」を受けて、まっとうな生活が出来るようになる、という、おとぎ話?でしたね。2022/03/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16757291
  • ご注意事項

最近チェックした商品