出版社内容情報
2020年は、ムーミン75周年。
ある秋の日、
ムーミンやしきを訪ねてきたのは、
ムーミン一家の友だち、トゥーティッキ。
ニンニという女の子をつれてきたといいますが、
すがたが見えません。
おばさんからひどく冷たいあつかいを受けて、
だんだん見えなくなってしまったのだといいます。
でも、ムーミン一家といっしょにすごせば、
ニンニはまた見えるようになるにちがいない、
トゥーティッキはそう思って、つれてきたのです。
いまに訴える、トーベ・ヤンソンの傑作短編、
「目に見えない子」が、
小さい子どもから楽しめる
美しい絵本になりました。
イラストを担当したのは、
ムーミンの版権を管理する会社の
公認画家。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
88
トゥーティッキが連れてきたニンニは、おばさんから冷たく扱われて、姿が見えません。ムーミンママはおばあさまの古い手帳に書かれたくすりを調合して、翌朝ニンニは足が見えるようになりました。また次の日の朝、ママが作ったワンピースを着て階段を降りてきました。みんなで海辺に行った時ムーミンパパのしっぽを誰かが思いっきり嚙みました。相変わらず口の悪いミイに負けず劣らず、やっと姿の見えるようになったニンニは、どうしようもないしつけのなっていない子なのでした。ムーミンママは言いました「なにもかも、おばあさまのおかげですよ」2021/10/01
keroppi
71
「ムーミン谷の仲間たち」から、私も一番気に入った「目に見えない子」を絵本化。いじめられて姿が見えなくなってしまったニンニが、ムーミン一家に囲まれて見えるようになってくる。自分を見つけることの大切さを、とても優しく伝えてくれる。2022/02/03
ヒラP@ehon.gohon
24
ムーミンの魅力よりも、ニンニの境遇の方が気になってしまいました。 ニンニが、母親から受けた虐待によって見えなくなってしまったというのです。 それだけ「影が薄い」女の子だということなのでしょうか。 結果的にはハッピーエンドで終わるこのお話、最後のムーミンママの言葉が謎です。 「なにもかも、おばあさまのおかげですよ」。 確か、この本の中で、「おばあさま」の表記はこの一ヶ所のみです。2020/09/05
ゆぎ🖼️
18
家を出された子ニンニをムーミン母が迎え入れる。ムーミンや仲間たちと関わり合う中で透明だった体が見えるようになる。アイデンティティーの話しかな、と感じました。2021/05/17
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
12
トゥーティッキが連れてきた姿の見えない女の子ニンニ。ムーミン一家は彼女を優しく受け入れます。特にムーミンママの押しつけない優しさがステキです。クラシック・ムーミン絵本。 『ムーミン谷の仲間たち』 https://bookmeter.com/books/363156 の1編『目に見えない子』より。2020/12/22